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(春の東風が吹く様になったら、花を咲かせ、香りを届けておくれ、梅の花よ。 主の私が居なくても、春を忘れないでいておくれ。)
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此の季節になると、 “学問の神”としても知られる菅原道真が詠んだ、有名過ぎる和歌を思い浮かべてしまう。(ずっと「春な忘れそ」が正しいと思い込んでいたのだが、実は「春を忘るな」が正しいのだそうだ。)破格の立身出世を妬まれ、在らぬ罪を掛けられ、大宰府に左遷された道真が、京の都を離れる際に詠んだ物で、彼の失意の深さを感じてしまう歌だ。
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「梅の病、名所各地で・・・復元10年青梅で全伐採へ」(3月16日、読売新聞)
果実の変形等を齎す、プラム・ポックス・ウイルス(PPV)の梅への感染が、全国10都府県に拡大している。
実をを食べる等しても健康に影響は無いが、国内で初めて感染が確認された東京都青梅市では、観梅期を終えた4月以降、梅の名所「青梅市梅の公園」の梅を全伐採する。被害拡大の主原因は、感染した苗木や接ぎ木の移動だ。苗木の徹底管理や媒介する昆虫の駆除に取り組むが、潜伏期間が在って早期発見し辛い等、有効な手立てを打ち出せていない。
120種1,739本の梅を目当てに、約10万人が観梅期に来園する梅の公園。2010年から感染木の処分を強いられ、恒例の梅祭りが今月30日で終了した後に、残りの1,266本も全伐採される事になった。元の姿に戻る迄は、最低でも10年間必要と言う。
国内初感染は2009年3月、青梅市の農家からの通報で確認された。農林水産省と都は2012年度迄に、植物防疫法に基づき、同市内で約2万6,000本を処分した。
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先日、ニュース番組で「『青梅市梅の公園』の梅が今春に全伐採され、10年近くは観梅出来なくなるだろう。」というのを知った。所謂「吉野梅郷」の事は知っていたが、実際に足を運んだ事は無かった。「微妙に遠い。」というのが躊躇させていたのだが、10年近くは観梅出来なくなるだろう。」というのを知った以上、「何としても観に行かなければ。」という思いに。
吉野梅郷に近付くにつれ、先月に降った雪が結構残っているのを目にした。今回、「序でに見に行こう。」と思っていた「日の出山荘 中曽根康弘&ロナルド・レーガン日米首脳会談記念館」(1983年11月11日、当時の中曽根康弘首相が来日したアメリカのロナルド・レーガン大統領を招き、日米首脳会談を行った場所。当時は中曽根氏が所有し、「日の出山荘」と呼ばれていた。)も、大雪の影響で未だ閉館中という事で、中に入れなかったのは非常に残念。
青梅市梅の公園内は、“最後の観梅”を目的とした人々で溢れ返っていた。梅に関して言えば、全体的には七分咲きという感じだったが、白とピンクのアンサンブルが実に美しかったし、蝋梅や福寿草、山茱萸等の花も良かった。
【梅の花1】
【梅の花2】
【梅の花3】
【梅の花4】
【福寿草】
近年、街中で携帯やスマホでパシャパシャと写真を撮っている光景は珍しく無くなりましたが、カメラ、其れも其れ形のカメラで写真を撮っている光景となると、野鳥や鉄道、そして梅や桜が存分に堪能出来る場所となった感が在ります。
吉野梅郷でもそんな人達が多く、色んなアングルで撮っていました。通り道を塞ぐ様にして撮っている人が多かったりするものですが、此の日の“カメラマン達”は概してマナーが良く、不快な思いをせずに済みました。