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婚約者に振られた赤西民夫(田中圭氏)は、人生最悪の虚しい日々を送っていた。或る日、彼は白く大柄な保護犬を飼う事になる。「ワン。」とは鳴けず「ハウッ。」と鳴く其の犬を、民夫は“ハウ”と名付ける。そして、戸惑い乍らも暮らし始めた彼等は、徐々に絆を深めて行くのだが・・・。
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映画「ハウ haw」を観て来た。作品に関する情報を事前に調べる事無く、「犬が大好きなので、犬が出る作品なら観たい。」という思いだけで、映画館に足を運んだ。「此の映画は、斉藤ひろし氏の小説『ハウ』を原作としている。」というのは、観終えたから知った事。
民生によって“ハウ”と名付けられた保護犬は、「前の飼い主から吠えない様に声帯を切り取られた挙句、捨てられた犬。」だった。心に深い傷を負っていた民生は、ハウとの生活により明るさを取り戻して行くのだが、或る日、ハウが居なくなってしまい・・・というストーリー。
一言で言えば、“あざとい作品”だ。民生とハウとの微笑ましい日々を描いた後、彼等の悲しい別れ、そして1年経った後に再会するも・・・という、「観客をホンワカとさせ、不安にさせてから嬉しくさせ、最後は泣かせる。」という“作り手の計算”が露骨に伝わって来るので。余りにも御都合主義な展開が、そういう計算を後押ししている。
とは言え、そういうあざとさを頭で判ってはいても、作り手の計算通りに「ホンワカ→不安→嬉しさ→泣き」という状態にさせられてしまった。「民生役の田中圭氏の芝居の上手さと、ハウ役のベック君の愛らしさ。」故にだ。ストーリー的には在り来たりな感じでは在るが、犬好きならば「観て損は無い。」と思う。
総合評価は、星3つとする。