昨日、二つの死亡記事に目が留まってしまった。共に自分にとっては、印象深い人だったからだ。一人は嘗てTV等で慣れ親しんだ存在。そして、もう一人は書籍等からの情報でのみ知っていた存在だった。
① 小森のおばちゃまの死
以前、記事でも取り上げた事が在る程、気になる存在だった。映画評論家の存在そのものに付いて、賛否両論在るとは思うが、映画というものをより身近な存在にしてくれたのは、彼女の功績だったと思う。
映画解説以外にも、彼女は独特な個性を発揮していた。バラエティー番組では、奇抜な衣装をデザインしたり、今や伝説の深夜番組ともなった「オールナイトフジ」では、下ネタをサラッと陽気に語っていた。森永「小枝チョコレート」のCMではナレーションを務め、「高原の小枝を大切に。」というフレーズは流行語にもなった。
10年程前に大火傷を負われて以降彼女が公の場に現れたのは、同じ映画評論家の淀川長治氏が亡くなられた1998年の事だった。その葬儀の席に参列された姿をTVで見掛けたが、車椅子に乗った彼女は最早恍惚の表情を浮かべている状態。あの陽気で元気なおばちゃまの余りにも変わり果てた姿に、何とも言えない寂寥感を覚えた。そして、それ以降は公の場から姿を消した。自分の廻りでも、彼女が既に亡くなっていると誤解している人間が多く居る中での死だった。
晩年は病で思うに任せぬ身体となり、近しい人物に全財産を騙し取られたという報道がされる等、切なさを禁じ得ない晩年だった・・・。
② ローズマリー・ケネディさんの死
第35代アメリカ合衆国大統領J・F・ケネディ氏の妹が86歳の生涯を終えた。良くも悪くも光を放っていたケネディ家の中で、彼女の存在は闇に葬られた存在と言っても良かった。と言うのも、生まれ付き知的発達障害を抱える彼女を、ケネディ家は表に出してはならない存在と捉え、非人道的な手術を彼女に成したのである。その手術はロボトミーと呼ばれ、脳の中肺葉や前頭葉を切断してしまうもので、当時は彼女の様な症状には有効的な手術として盛んに行なわれていたものだった。施術された患者が廃人化してしまう事が問題視され、この手術は1970年代以降は殆どなされなくなったという。人間を人間足り得ない姿に変えてしまうこのおぞましい手術の存在を自分が知ったのは、彼女に付いて書かれた書籍を目にしてからだった。
遠い親類に当たる人物に、財界で名を成した者が居る。日本で一番有名な野球人の後援組織にも名を連ねる、経済界の重鎮と言っても良い存在だろう。財界人としては尊敬に値する人物なのかもしれないが、自分は彼を人間として評価出来ない。と言うのも、彼は自分の子供が障害を抱えて生まれて以降、その子を座敷牢に入れるが如く、世間から隔絶された環境でその存在を消し去っているからだ。子供を最後迄守ってやれるのは、親しか居ないと言うのに・・・。彼は、ケネディ家と同じ愚挙を成したと自分は軽蔑している。
話は戻るが、彼女の哀れな境遇は呪われたケネディ家伝説の一つとしてずっと語られて来た。彼女の死で、ケネディ家の”伝説”も又一歩、歴史の彼方に追いやられてしまうのだろう。
両人の死を悼みたい。合掌。
① 小森のおばちゃまの死
以前、記事でも取り上げた事が在る程、気になる存在だった。映画評論家の存在そのものに付いて、賛否両論在るとは思うが、映画というものをより身近な存在にしてくれたのは、彼女の功績だったと思う。
映画解説以外にも、彼女は独特な個性を発揮していた。バラエティー番組では、奇抜な衣装をデザインしたり、今や伝説の深夜番組ともなった「オールナイトフジ」では、下ネタをサラッと陽気に語っていた。森永「小枝チョコレート」のCMではナレーションを務め、「高原の小枝を大切に。」というフレーズは流行語にもなった。
10年程前に大火傷を負われて以降彼女が公の場に現れたのは、同じ映画評論家の淀川長治氏が亡くなられた1998年の事だった。その葬儀の席に参列された姿をTVで見掛けたが、車椅子に乗った彼女は最早恍惚の表情を浮かべている状態。あの陽気で元気なおばちゃまの余りにも変わり果てた姿に、何とも言えない寂寥感を覚えた。そして、それ以降は公の場から姿を消した。自分の廻りでも、彼女が既に亡くなっていると誤解している人間が多く居る中での死だった。
晩年は病で思うに任せぬ身体となり、近しい人物に全財産を騙し取られたという報道がされる等、切なさを禁じ得ない晩年だった・・・。
② ローズマリー・ケネディさんの死
第35代アメリカ合衆国大統領J・F・ケネディ氏の妹が86歳の生涯を終えた。良くも悪くも光を放っていたケネディ家の中で、彼女の存在は闇に葬られた存在と言っても良かった。と言うのも、生まれ付き知的発達障害を抱える彼女を、ケネディ家は表に出してはならない存在と捉え、非人道的な手術を彼女に成したのである。その手術はロボトミーと呼ばれ、脳の中肺葉や前頭葉を切断してしまうもので、当時は彼女の様な症状には有効的な手術として盛んに行なわれていたものだった。施術された患者が廃人化してしまう事が問題視され、この手術は1970年代以降は殆どなされなくなったという。人間を人間足り得ない姿に変えてしまうこのおぞましい手術の存在を自分が知ったのは、彼女に付いて書かれた書籍を目にしてからだった。
遠い親類に当たる人物に、財界で名を成した者が居る。日本で一番有名な野球人の後援組織にも名を連ねる、経済界の重鎮と言っても良い存在だろう。財界人としては尊敬に値する人物なのかもしれないが、自分は彼を人間として評価出来ない。と言うのも、彼は自分の子供が障害を抱えて生まれて以降、その子を座敷牢に入れるが如く、世間から隔絶された環境でその存在を消し去っているからだ。子供を最後迄守ってやれるのは、親しか居ないと言うのに・・・。彼は、ケネディ家と同じ愚挙を成したと自分は軽蔑している。
話は戻るが、彼女の哀れな境遇は呪われたケネディ家伝説の一つとしてずっと語られて来た。彼女の死で、ケネディ家の”伝説”も又一歩、歴史の彼方に追いやられてしまうのだろう。
両人の死を悼みたい。合掌。
淀川長治さんも今はなく、映画の素晴らしさを私たちに伝えてくれた愛すべき語り部が少なくなってきたことを痛感します。
ローズマリー・ケネディー氏の受けた「ロボトミー」についてはよく知らなかったので、リンク先を拝見してみましたが、この考案者のモニス教授はノーベル医学賞を受けていたんですね。
受賞当時の評価からすれば仕方ないのですが、その後露呈したロボトミーの様々な問題を考えれば、やはり剥奪処分等がないことに違和感を禁じ得ません。
このところ病気等でメディアに露出していないので若い世代の方には知らない人となってしまっていたおばちゃまですが独特の表現力とスタイルが好きでした。
ご冥福をお祈りします。
本当ですね、記憶のなかにしか生きられてませんでした。
パーキンソン病だったそうです。
とても心が和む話し方がわすられません。
「高原の小枝を大切に」って懐かしいですね。
大往生だと思います。
夢があって自由奔放で優しい小森さんのご冥福をお祈りいたします。
ここで読めてよかったです。単なる知的障害者ではなくて、ロボトミー手術を受けてしまわれたんですね…
たしか術後はぼーっとしてしまって、何も気力も表情もなくなるんだったような(うろ覚えでごめんなさい)
あの一族は本当にいろいろありますね。
小森さんについては、TBさせていただきましたので簡単に書きますが、長い間の療養生活、それも自宅でとのことで、周りの方々も大変だったろうと思います。ご自宅での大往生、介護なさった方々にも「お疲れ様でした」と申し上げたい気がします。
寂しく思います。なんとも優しく、親しみを
もてる方でした。片岡鶴太郎さんも、「もう
ものまねはしない」とおっしゃっていたそう
で、深い悲しみを抱えておられるのだと感じ
ました。
あらためて、おばちゃまのご冥福をお祈り
いたします。
映画(洋画)を観るきっかけは、やはり淀川長治氏と小森のおばちゃまの影響は結構あったように思います。
天国でジェームス・ディーンと逢えるといいですね。
ご冥福をお祈りします。
この場をお借りしてご挨拶させていただきます。
さっそくTBもさせていただきましたが、今年もよろしくお願いいたします。