ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“持たざる者”が増加する国

2017年11月16日 | 時事ネタ関連

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金融資産『世帯、過去最高の31.2% 『持つ者』との格差広がる」(11月15日、J-CAST会社ウォッチ

 

日本銀行金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2017」によると、2人以上の世帯の内、将来に備えた預貯金等の金融資産を持たない世帯の割合は31.2%で、過去最高を更新した。前年は30.9%だった。調査結果は、11月10日に発表された。

 

単身世帯で資産を持たない割合は46.4%。過去最高だった2016年の48.1%から、僅かに下がったが、高止まりが続いている。

 

家計1世帯当たりの金融資産保有額の平均は、2016年と比べて73万増の1,151万円と、2年振りぶりに増えた。世帯を資産の多い順に並べた「中央値」は、前年から20万円減って380万円となり、4年振りに減少した。

 

金融商品別の構成比を見ると、「預貯金(郵便貯金を含む。)」は前年比1.2ポイント減の54.1%。一方、「有価証券債券・株式・投資信託)」は1.9ポイント増の18.0%、「生命保険」は0.9ポイント増の16.7%となった。

 

金融資産を保有する世帯で、現在の金融資産残高が1年前と比べて「増えた。」と答えた世帯は、前年比6.3ポイント増の28.6%。理由を見ると、「定期的な収入が増加したから。」は前年から1.2ポイント減って36.6%、「定期的な収入から、貯蓄する割合を引き上げたから。」は2.3ポイント減の25.2%と、共に減少。其の一方で、株式や債券価格の上昇で、「評価額が増加したから。」は7.8ポイントも増えて14.7%、「配当金利収入が在ったから。」は2.8ポイント増の10.0%と、前年から増加した。

 

「金融資産を保有していない。」と答えた世帯は、前年比0.3ポイント増の31.2%。更に、銀行等の預貯金口座証券会社の口座に残高が無い世帯は1.1ポイント増えて14.1%だった。

 

資産を保有する世帯が株高恩恵を受ける一方で、株式等を保有しない世帯との「格差」が広がる傾向が窺える。

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政府は、“景気回復”を声高に主張している。確かに株高は進んでいるし、数字的には雇用環境の改善は見られる。でも、周りの人間と話をすると、「生活が楽になった。」と言う人よりも、「生活は、相変わらず苦しい。」と言う人の方が遥かに多い。

 

「景気回復を実感している人の多くは、元々其れなりに金銭的余裕が在り、其の金銭を投資に回して、更に資産を増やしているというケースが多いのだろうな。」とは想像していたけれど、今回の調査結果は其れを裏付けた形と言っても良いだろう。

 

「3世帯に1世帯の割合で、金融資産が零。」というのは、日本の未来を考えると深刻な数字だ。色々問題は在るけれど、「金融資産が零という事で、日本の未来を背負って立つ子供達への教育が疎かになってしまう。」というのは由々し事態自堕落な生活を送っている者は論外だが、「必死で働いているのに、金融資産が零。」という人達を“見殺し”にするのでは、とても“美しい国”とは言えないだろう。


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4 コメント

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Unknown (悠々遊)
2017-11-16 19:55:07
退職金は住宅ローンの完済でほぼ消えてしまった、「持たざる者」に限りなく近い一人です。
若い頃から先天性の心臓病があったので、生命保険にも加入できなかったし、株や投資に回す余裕などあるはずもなく・・・。
持たざる者やボーダーライン上のの多くが同じような境遇なんでしょうね。
中には「宵越しの金は持たない」主義でケセラセラと生きる人も例外でいるかもしれませんが(笑)。

一方で課税逃れに「楽園」を活用する富裕層もあり、つくづく「金は引力を持っている」と感じます。

人間としての理性では、こんな不公正はあってはならないと思いますが、資本主義の力学ではこれが正常なのでしょう。
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>悠々遊様 (giants-55)
2017-11-16 23:40:45
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

自分は「日本」という国が好きです。天皇制には疑問を感じているし、政治や社会制度にも大いに不満が在る。でも、総合的に言えば、日本は好き。一つの価値観しか持ち得ない人達からすれば、「御前なんか愛国者では無い、売国奴だ!」と難癖を付けられそうですが、“愛国”なんて概念は唯一無二的な物では無いし、余計な御世話という感じ。

愛国を声高に叫び乍ら、其の愛している国から金を毟り取っていたり、国に本来納めるべき金を不法に逃れ、我が物としている連中が少なからず居り、そういう連中からしたら、“持たざる者”で在る自分なんぞは、余程国の為に金を納め続けているという自負が在る。

悠々遊様の様に額に汗して必死で働いて来たのに、持たざる者に限り無く近い存在という方々が居る。「豪勢な老後を送る。」なんて望まないけれど、真っ当に生きて来た人達が”憂い無く余生を過ごせる国”で在って欲しい。大好きな国だからこそ、そう願います。
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Unknown ()
2017-11-17 00:20:02
格差の拡大と言いますが、実際には、ITの発展によって、社会的な身分の違いとか、地域間での差別というのは緩和されていると思います。そもそも、資産の多寡は人の価値を計る尺度にはなりません。しかし、懸念は、嫉妬や憎悪が、持てる者への無差別な攻撃であったり、テロの芽にならないか、という事です。日本は、双方の距離が近く、行為が届く場所に、富裕層と貧困層が共生し合っていると思います。

アメリカのようにチャンスの多い社会を目指し、その為に持てる者も持たざる者も、子息の教育に力を入れ、場合によっては無償化するというのは分かります。選挙の為の空約束ではなく、公約は守っていただきたいと思います。ネット解禁とも言いますが、ITの使い方は、有権者に委ねられ、不平不満を進んでまき散らす道具にするか、愛なり社会的な連帯心を歌い上げ、美的な世界観を信じたい、という、幻想に実を入れるものにする努力をするか、人によって思想は分かれると思います。

いずれも甘くはないですが、真実を語る事が条件で、その言葉の性質に美しさがあって、初めて評価されるものだと思います。
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>隆様 (giants-55)
2017-11-17 01:32:10
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

金持ちという事“だけ”でバッシングされるのはどうかと思うし、又、貧しいという事“だけ”で過剰に保護するというのも違うと思っています。でも、金持ちで在るが故に、“金持ちの特権”として“違法な形”で更なる私腹を肥やすというのは絶対に許されない事。其の辺の見極めは重要ですね。

ITが“人の可能性”を広げたのは事実だし、便利なツールで在るとも思う。でも、何事にも言える事ですが、メリットが在る一方でデメリットも存在する。今回の選挙で立憲民進党はITを上手く使い、躍進した。でも、「マスメディアの選挙報道は非常に偏っていて駄目だけれど、ネットでの選挙報道(と言えるのか怪しい物も多い。)は自由で、真実をダイレクトに伝えている。」と持ち上げている著名人には、強い違和感を覚える。其の御仁、ネット上で無根拠なデマを次々に書き込んでいる某極右作家が仕切っている番組を取り上げて、そう高く評価していたのだけれど、「自由な伝達=デマ」で在ってはならない。様々なメディアに触れ、自分の頭で真偽を確認し乍ら、情報を取捨選択して行く。そういう当たり前の事が、最近は出来ていない人間が、老若男女を問わず増えている様に感じるのですが、インターネット・リテラシーというのは、益々重要な概念になって行くと思います。
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