昨夕、所謂「地震雲」を目にした。目撃したのは都内で、幾つかの地震雲が立ち昇っていたのが非常に不気味。自分は「何処ぞの有名人Jr.」の如く「予言者」を気取って不安を煽り立てる気は全く無いけれど、「天災は忘れた頃に遣って来る。」もの故、用心するに越した事は無いだろう。何も無ければ無かったで、其れは良い事なのだし。
閑話休題。
6年前の「趣味の主役も今や・・・」という記事で触れたが、今からウン十年前の幼少期、子供の間で「趣味の王様」というのは切手収集で、少年誌でも切手特集が良く組まれていたものだった。切手収集が盛んだったのは子供の間だけでは無く、大人の間でも夢中になっている人が少なくなかったのだが、軈て収集熱は冷めて行く。昭和40年代には100万人近く居た切手収集家も、今や3万人程に激減したとも言われているのだ。
此れ程迄に激減した理由は、幾つか在ろう。趣味の多様化も其の1つだが、郵政省による記念切手の乱発が致命的だったと思う。買い集める為の費用が嵩むし、何よりも乱発によって個々の切手の魅力が失せてしまった。「スタンプクラブ」という雑誌を毎月購入する程夢中になって切手収集していた自分も、中学に上がる頃には熱が冷めていた。
自分の場合は「切手が好き。」という気持ちの他に、「投機買い」的な邪心が在ったのは否めない。世の中には「純粋に切手が好き。」という方も居られ、切手収集家が激減しようが切手買取価格が大暴落しようが無関係&地道に収集されている姿には、元切手収集化家の1人として拍手したい気持ちが在る。
当ブログをちょこちょこ覗いて下さっている悠々遊様もそんな大ヴェテランの御一人だが、「切手蒐集は、そろそろ見切り時か」という先日の記事にて収集を止める意思を仄めかされていたのは、個人的に凄くショックだった。「切手収集家の鑑」、否、「切手“愛好家”の鑑」とも言える悠々遊様を、其処迄追い込んでしまったのは何なのか?矢張り、「記念切手の乱発」の影響が大きい様だ。
儲け至上主義にて切手乱発に加速度が付き、其の結果として純粋な切手愛好家を更に減じさせてしまっているという現実を、日本郵政は真剣に反省して欲しい。
「ミスター味っ子」、「将太の寿司」、そして「喰いタン」と、寺沢大介氏の作品は結構好きで読んでいました。そんな彼が「切手マニアの刑事」を主人公にした漫画の連載開始というのは凄く興味が在ります。
「ウルトラマン・シリーズや仮面ライダー・シリーズのブーム」や「切手収集ブーム」等々、昔は子供向けの雑誌で取り上げた事から一大ブームになったケースは結構在りましたよね。情報発信元が限られていた昔とは異なり、今は幾つも在る時代ですから、漫画での連載で切手収集ブームが訪れるかどうかは不明なれど、嘗ての切手収集少年からすると「切手収集ブーム再来」を期待したいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110916-00000015-nataliec-ent
これがきっかけで、切手収集ブームが再燃、なんてことはないでしょうか。ドラマ化されて、日本郵便がスポンサーになったりして(苦笑)。
「サンデーとマガジン」(光文社新書)によると、切手ブームを作ったのも、少年マガジンだったそうです。モデルガンの通信販売のために集まった大量の切手を売りさばくために切手商との付き合いが始まり、少年漫画誌が切手の通販の広告を載せるようになったのがきっかけだというそうです。
自分はシート単位で収集していた口なのですが、1枚当たりの額面が上がって行くに連れて、シート単位での収集はしんどくなり、加えて遣っ付け仕事的な絵柄が増えた事で、収集を断念するに到りました。手間は掛かるのかもしれませんが、景気が此れ程迄に冷え込んでしまった中では、小さな子供でも手軽に収集出来る様な「小型シート」をもっと発行するというのも手かもしれません。
ショッピング・モールに買い物に行くと、時々イヴェント・コーナー等で「臨時切手販売所」が設置され、通り過ぎる人達に「記念切手は如何ですか?」と声を掛けている局員の姿を見掛けます。元収集家の自分はついつい足を止めて記念切手をチェックしてしまうのですが(購入しないのは、本当に申し訳無い限りなのだけれど。)、其の儘通り過ぎる人が多いのは、嘗ての切手ブームを知っている身からすると寂しい光景。
近年では「アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」の様に、切手収集をしていない人の心をもグッと掴む記念切手も在るけれど、概して「記念切手発行先ず在りき」的な、購入者のニーズを考えていない類の物が未だ未だ散見されるのは、本当に残念。
粗製濫造では無く、少数精鋭で発行すれば、結局はトータルで販売数が増えて行くのではないかと、素人考えで思ったりも。
郵便事業の現場にいる自分にとって、切手というのは「セールス・ツール」です。霞ヶ関のエライ人の判断ミスのために発生した多額の赤字を減らすためにと、郵便や小包の集配とともに、お客様に切手を売り歩く日々です。
今回の記事は我々には耳の痛い部分もありました。昔ながらの収集家の皆さんのニーズにも応えられるような商品開発とか出来ないものかと思いました。
投機買い的な邪心も在ったけれど、基本線は「綺麗だなあ。」という思いが在って収集していた記念切手。しかし自分が子供だった時点で既に「此れは酷い。」と思ってしまう様な“遣っ付け仕事”的記念切手も発行されていました。
アニメ関係の切手が当たった事で、記念切手の乱発に加速度が付いたのかもしれません。又、「地方に光を当てる。」という考え方は悪くないのだけれど、「ふるさと切手」が発行された事で、収集に手間と費用がより掛かる様になったのは事実でしょうね。何事も程々にしないと、結局は駄目になってしまうという一例と言えるのかも。
自分の場合は、「スタンプクラブ」で収集のイロハを学びました。今でも収集家の為の雑誌は在るのでしょうが、少なくとも書店では見掛けなくなりましたね。
いろんな種類を小分けして袋に入れて
外国に持って行き、ちょっとしたプレゼントに
利用する知り合いがいます。
それだけキレイな切手でも
バンバン記念切手を発行すれば
いくらファンでも追いかけられませんよね。
そら発行側からすれば
印刷すればお金が入ってくるから
(それなりに元手は要りますが)
どんどん出したいのはやまやまですが
やはり限度がありますよね。
切手収集家の雑誌、ありましたね。
今もあるのでしょうか・・・