今日の話、ハッキリ言って“大昔のプロレスラー”を知らない方ならば、「何の事だか、サッパリ判らない。」に違い無い。が、個人的には大爆笑してしまったので、申し訳無いが取り上げさせて貰う。
19年前の記事「阿部四郎リターンズ」でも書いたが、子供の頃はプロレス中継を良く見ていた。男子プロレスではアブドーラ・ザ・ブッチャー氏やタイガー・ジェット・シン氏等が全盛の辺り迄、女子プロレスではビューティ・ペアに始まり、クラッシュギャルズや極悪同盟等がリングを賑わわせていた辺り迄、夢中になって見ていたっけ。
で、話はガラッと変わる。昨夜行われた「ジャイアンツvs.カープ」戦は、10回裏に丸佳浩選手が“サヨナラホームラン”を放った事で、ジャイアンツが「3対2」で勝利を収めた。でも、今季のジャイアンツの闘い振りを知り尽くしている自分には、「今日の試合、又負けそうだな。」と思わされる展開だった。
と言うのも、ジャイアンツの先発・戸郷翔征投手は7回を投げ切って「1失点」と頑張りを見せたものの、ジャイアンツの攻撃陣は7回裏を終えて9安打を放つも、「2得点」だけという状況。僅か「1点差」で“逃げ切り”を図ろうとした9回表、抑えのアルベルト・バルドナード投手が「2死3塁」からまさかの大暴投で「2対2」の同点に追い付かれてしまったのだ。こういう試合展開、今季のジャイアンツならば九分九厘負けに向かう展開。案の定、10回表のカープの攻撃では、「1死1&2塁」のピンチを迎えたが、吉川尚輝の“超好守備”が光り、何とか失点せずに済んだ。「此の超好守備が、丸選手のサヨナラホームランに結び付いた。」と言っても良いだろう。
自分は日テレジータスで生中継をずっと見ていたのだが、試合直後に行われた“勝利監督インタヴュー”で、其の発言は飛び出した。丸選手のサヨナラホームランに付いて、「いやあの、我を失って飛び出してしまいました。」と話し出した阿部慎之助監督。「投手陣も粘りましたが。」というアナウンサーの質問に対し、次の様に答えた。
「ケラーは昨日はサヨナラ被弾しましたけど、其れでも今日は果敢に投げてくれましたし、バルドナードはね、魔が差したのか、彼(彼の暴投)は多分、(バルドナード投手と組んでいた捕手が岸田行倫選手じゃ無くて)キラー・カーンでも捕れなかったと思います。けど、必死な中での事なので、又、次抑えてくれると思います。」【動画】。
真顔で答えていた阿部監督だが、「“キラー・カーンの譬え”が、洒落で言った事」は理解出来たものの、自分の頭の中では「でも、どういう意味???」という疑問がグルグルと渦巻き、以降の遣り取りが全く頭に入って来なかった。
【キラー・カーン氏】
1970年代から1980年代に掛けて、プロレス界で活躍したキラー・カーン氏は、忘れられないプロレスラーの1人だ。当初は「辮髪に髭を蓄え、毛皮のヴェストとモンゴル帽子というスタイル。」でリングに上がり、“蒙古の怪人”とか“蒙古の殺し屋”というニックネームで呼ばれる“ヒール”だった。引退後はタレント活動やちゃんこ料理店経営等でコミカルな姿を見せていたが、昨年12月、76歳で急死されたのはとても残念だった。
原辰徳前監督もそうだが、プロ野球選手にはプロレス・ファンが結構多い。そんな事から、阿部監督の口から「キラー・カーン」という名前が飛び出したのだろうが、幾ら考えても「どういう意味での譬えなのかなあ?」と全く判らなかった。「『キラー・カーンでも捕れなかった。』というのは、『キラー・カーン氏が、得意技の1つ“モンゴリアン・チョップ”を使ったとしても、彼の暴投は叩き落して止められなかった。』という譬えなのか?でも、其の譬えは良く判らないしなあ・・・。」と考え込んでいたら・・・。
阿部監督への“勝利監督インタヴュー”が済んでから暫くして、リポート役のアナウンサーから中継のアナウンサーに連絡が。「先程の勝利監督インタヴューの後、阿部監督から訂正が入りました。『(キラー・カーンでは無く、サッカーのゴール・キーパーとして“鉄壁の守備”を誇った)オリヴァー・カーンでも捕れなかったと思います。』の言い間違いだそうです。」と。
【オリヴァー・カーン氏】
スタジオは大爆笑。自分も大爆笑してしまった。流石、シンノスケ!
因みにジャイアンツの機関紙「スポーツ報知」では、此の際の遣り取りが“最初から”「オリヴァー・カーン」と言った事になっているのが、何とも間抜けだ。
キラー・カーンやオリバー・カーンなら取れなかったかも知れませんが、あんな球なら阪神の梅野なら取ってたでしょう。
強肩で知られる梅野選手ですが、神懸かり的なブロックも含め、守備力が非常に高い捕手ですよね。
昨夜の暴投、要求していたコースとは全く異なっており、流石に彼の球を捕るのは酷。梅野選手ならば、確かに神プレーで捕れるかも。