ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「図書館内乱」

2013年09月29日 | 書籍関連

*********************************

図書隊の中でも最も危険な任務を負う防衛隊員として、日々訓練に励む笠原郁(かさはら いく)は、中澤毬江(なかざわ まりえ)という耳の不自由な女の子と出会う。毬江は小さい頃から面倒を見て貰っていた図書隊の教官・小牧幹久(こまき みきひさ)に、密か思いを寄せていた。

 

そんな時、検閲機関で在るメディア良化隊が、郁が勤務する図書館襲撃謂われ無い罪で、小牧を連行してしまう。斯くして、郁と図書隊の小牧奪還作戦が発動した!?

*********************************

 

今回読了した小説「図書館内乱」は、有川浩さんの「図書館戦争シリーズ」の第2弾に当該する。図書館戦争シリーズの世界観に付いては、第1弾「図書館戦争」のレヴューを読んで戴ければと思うが、「青少年に悪影響を与える有害情報や、人権侵害したり公序良俗を乱す表現を取り締まる法律メディア良化法』が施行された日本。」が舞台となっている。

 

「興味本位行き過ぎた報道により、様々な報道被害が問題となった事で、『メディア良化法』は施行された。」という設定になっているのだが、言論封殺的行為を好む首相全体主義へ回帰している様な我が国では、「特定秘密保全法案」なる物の提出&可決が目指されている。の権力者にとって“不都合な事実”を、“違法な事柄”として闇に葬り去る事も可能。」という意味では、「メディア良化法」と「特定秘密保全法案」は非常に似ており、とても絵空事とは思えなかった。

 

「図書館戦争」では脇役的な人物達が、此の「図書館内乱」では、其れ其れキャラクターに“肉付け”がされており、「図書館シリーズ」の世界に深みを持たせた感が在る。郁と上司堂上篤(どうじょう あつし)とのもどかしい関係に、自分の若かりし頃を重ね合わせ、ついつい微笑ましく感じてしまうのは「図書館戦争」と同様だが、「温厚で冷静な小牧の意外な一面」や「郁と同期手塚光(てづか ひかる)及び柴崎麻子(しばさき あさこ)秘められた過去。」が明らかになる等、興味をそそられる内容だった。

 

総合評価は、星3.5個とする。


コメント    この記事についてブログを書く
« 相変わらずの名コンビ振り | トップ | 蠅付きパン »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。