蠅付きパン

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「給食に蠅付きパン・・・除いて食べる様、学校指導」（９月２９日、読売新聞）

 

岐阜県可児市の市立蘇南中学校と市立東明小学校の給食で出されたパン計約１００個に、蠅が付着してい乍ら、両校とも付着した部分を取り除いて食べる様に指導していた事が２８日判った。

 

市教委によると、付着していたのはクロバネキノコバエ（体長約１ｍｍ）。蘇南中では今月２日、蠅が付いた儘焼かれた丸パン４個が、又、東明小では同９日、同様のクロワッサン約１００個が見付かった。両校とも、児童生徒の訴えで明らかになった。其のパンを食べた子供も居た可能性が在ると言う。

 

市教委は、給食の異物混入で、「健康に影響が無いと判断した場合は食べる。」との方針を手引書で示しており、両校とも其の手引書に従ったと言う。市教委は「配慮が足りなかった。」として、手引書の改定を検討している。

 

パンは同県御嵩町の工場で作られ、製造過程で蠅が付着したと見られる。此の工場は周辺の町の学校給食用のパンも生産しているが、両校以外に蠅が見付かったとの連絡は無いと言う。

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最初に断わっておくが、今から書くのは飽く迄も私見で在り、其れが唯一無二的に正しいなんて言う気も無いし、況してや其の考えを他者に強い様なんて思いも、毛頭無い事を御理解戴きたい。又、「時代が違う。」とか「場所が違う。」という反論が在ろう事も、十二分に判っている。

 

亡き父は、戦中に幼少期を送った。疎開先では食べる物も満足に無く、時には草や虫、蛇等も食べたそうだ。だから「食べ物を大事にする。」という思いが一入強く、自分は幼少の頃より父から「食べる物が在るというのは、凄く恵まれた事。食べ物を残しては駄目。御百姓さん等、作ってくれた人達に失礼だし。」と良く言い聞かされたもの。「出された料理は残さない。」というのが、今も自分には習慣として在る。

 

“火が通った”料理に小蠅が入っていた時、「火が通っているんだから、小蠅を取り除けば問題無い。」と言って、小蠅を取り除いて食していた父。衛生面では神経質な方の自分だが、「火が通っている。＝衛生面では問題無い。」という考え方に疑問を感じなかった事も在り、同様に小蠅を取り除いて食べた。

 

社会人になり、アジアの国々をしばしば出張する事となった。屋台で食事をする事が多く、スープ等、料理の中に虫が入っている事も何度か在ったけれど、現地の同僚は「火が通っているし、取り除けば良いだけの話。こんなのを気にしていたら、生活出来ない。」と口々に言い、何事も無かったかの様に虫を取り除いて、料理を食していた。自分も同様の考えだったので、全く違和感が無かった。

 

今回の件、付着していた蠅は体長１ｍｍと極小。火が通っていると思われるし、自分だったら蠅が付着した部分を取り除き、パンを食べてしまう事だろう。

 

唯、“一般的に言えば”、「蠅が付着した部分を取り除き、パンを食べなさい。」というのが、問題になるのは判る。衛生面で全く問題が無いとは言い切れないし、中には（取り除いたとはいえ）蠅が付着していたパンを食す事で、トラウマを抱えてしまう子が出るかもしれないし。

 

「火が通っているから、蠅を取り除けばパンは食べられる。パンを捨てちゃうのは勿体無いし。でも、『気持ち悪いから嫌だ。』という人も居るだろうから、そういう人達は食べなくても全くＯＫ。」という指導ならば良かったのではないかなあと思ったりもする。でも、そうなると「食べたら食べたで、食べなかった子達から『汚い！』と、又、逆に食べなかったら食べなかったで、食べた子達から『勿体無い事をした！』と虐めに遭いそうな気もするから、難しい問題だ。