今年のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」【動画】の視聴率が芳しく無い。既に3回放送されたが、関東地区で言えば「第1回:15.5%、第2回:12.0%、第3回:13.2%」という塩梅。「そりゃ、そうだろうなあ。」と思う。
1月7日の記事「『いだてん~東京オリムピック噺~』の第1回を見て」で書いた様に、歴史、特に“近現代”が好きな自分が見ても、此の作品は面白く無い。「全体的にゴチャゴチャし過ぎていて、見ていて疲れる。」というのも在るが、「配役が、しっくりしていない。」というのも大きい。其の象徴が、5代目・古今亭志ん生氏を演じているビートたけし氏。落語に関する知識は無いに等しい自分だが、5代目・古今亭志ん生氏に関してはそこそこ知っている。話題性を重視したのだろうが、見た目が余りにも違い過ぎるビートたけしを起用した事で、違和感塗れとなってしまい、とても感情移入出来ない。言葉がハッキリしないのも、苛々感を募らせる。
先日放送されたラジオ番組で、「実在人物を取り上げたTVドラマで、違和感を覚えた配役。」に付いて取り上げていた。
落合博満・信子夫妻を主人公にしたドラマは2度製作されているそうだが、昭和63年に放送された「落合夫妻の悪妻だから夫はのびる 前&後編」は「落合博満氏:渡辺正行氏、落合信子さん:泉ピン子さん」という配役。見た目を含め、しっくりした配役だと思う。でも、平成5年に放送された「悪妻は夫をのばす!落合博満夫妻物語」の「落合博満氏:布施博氏」は未だしも、「落合信子さん:かたせ梨乃さん」というのは違和感が在る。
平成18年に放送された「林家三平ものがたり」の「初代・林家三平氏(今の2代目・林家三平氏では無い。):山口達也氏」、平成29年に放送された「BS笑点ドラマスペシャル 桂歌丸」の「桂歌丸氏:2代目・尾上松也氏、5代目・三遊亭圓楽氏(今の6代目・三遊亭圓楽氏では無い。):谷原章介氏」というのも違和感が在るけれど、一番ぶっ飛んでしまったのは、昭和63年に放送された「しあわせ志願」。原作者の林真理子さんをモデルにした作品との事で、主人公は林田由利子となっている。飽く迄も「モデルにしている。」とは言え、「林真理子さん:原田知世さん」というのは・・・。
ラジオ番組の中では取り上げられなかったけれど、平成29年の「時代をつくった男 阿久悠物語」での「阿久悠氏:亀梨和也氏」というのも「えー。」という感じだった。
例えば織田信長役を温水洋一氏が演じたら、どう感じるだろうか?歴史上の人物ですら“出来上がったイメージ”との差を感じたりするのに、“今の人”、例えば“キムタク”役を蛭子能収氏が演じたならば、違和感在り捲りだろう。
多少のイメージの違いは在っても、演技力が在ればカヴァーは出来る。でも、話題性を最優先させ、イメージとは全く異なる人物を配するのは、“配役ミス”としか思えない。