一定年齢より上の人ならば、“彼”の名前を強烈に覚えている事だろう。彼の通算本塁打数「755本」は“当時の世界記録”で在り、1977年9月3日に王貞治選手が其の世界記録を追い抜く「756本」を放った際には、日本中が歓喜に沸いたから。当時の熱狂は、今も忘れられない。
そんな彼、ハンク・アーロン氏が1月22日、86歳で亡くなられたと言う。貧困家庭に育ち、黒人という事で数々の差別に遭い乍らも、世界記録を打ち立てた彼。世界記録を破られたというのは悔しかったろうけれど、「早稲田実業高校時代、国籍が台湾という事で静岡国体に出場出来なかった。」等、“差別”という同じ苦しみを経験した王氏とは非常に気が合った様で、彼と共に野球発展の為のプロジェクトを立ち上げ、長く親交を結んでいた。
死因は明らかにされていないが、「今月6日、新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種していた。」というのが気になる。「アメリカの黒人達に“ワクチンの安全性を”アピールする為、黒人の著名人や家族等と共に、接種の過程を公開した。」との事。其の副作用で無ければ良いが・・・。
偉大な野球人の死に合掌。