我が国では此れ迄にも、政党が乱立した時期が何度か在った。1980年代半ばから1990年半ばに掛けてが特に酷く、其の殆どが今は消滅していたり、活動停止をして可成りの年月が過ぎている。
来月、衆議院議員総選挙が投開票されるけれど、候補者を立てる政党が乱立状態となっている。過去には意味不明で、御ふざけとしか思えない政党名が結構在ったけれど、少なくとも政党名だけで言えば、そういった類いの物は見当たらない気がする。だがしかし、肝心な政策という点では、過去の政党乱立時代よりも好い加減さに溢れてはいまいか?政界のカオス、此処に極まれりといった感じだ。
民主党や自民党、公明党といった古い政党も好い加減だが、新党(近年に作られた政党も含め。)の好い加減さも相当な物。以前の記事「○○、○○と草木も靡く」でも記したが、「選挙に勝つ事“だけ”を目的とし、日本維新の会へ無節操に擦り寄る政党。」というのは如何な物か?
太陽の党が日本維新の会に合流したが、両党が抑掲げていた政策には、大きく異なる部分が多かった筈。(太陽の党を率いていた)石原慎太郎前都知事は「小さな違いだ!」と言い放っていたが、原発稼動や消費税増税、TPP参加に関する可否のスタンスが全く異なるのに、其れを「小さな違い」としてしまうのは、余りにも国民を愚弄している。此れ等は日本にとって、決して小さくない問題だから。
合流するに際して“妥協政策”を打ち出し、(日本維新の会の)代表代行で在る橋下徹市長が其の正当性を口にもしていたが、申し訳無いけれど三百代言としか感じられなかった。以前より橋下市長には“ああ言えば、上祐”的部分を感じていたけれど、今回の野合としか思えない手法を選択し、そして詭弁としか思えない主張を押し通すに到っては、“信用出来ない人間”という思いで一杯。
自分は以前よりずっと、石原前都知事の事を「公私混同が酷い人物」と捉えている。「『愛国』を声高に叫ぶ人間の中には、『国や国民』を等閑にし、『自身や取り巻き』の利益を最優先にしている者。」が少なく無いけれど、石原前都知事は其の最たる例だとも思っている。彼の過去の言動を鑑みると、今回“も”国や国家の為というのは御為ごかしで、「自身や取り巻きの利益確保在りき。」という感じがする。
日本維新の会と合流する事で、選挙に弱い三男への(日本維新の会による)バックアップを取り付け、選挙後には自民党への協力をする事により、自民党内では“落ち目の三度笠”となった長男を復権させる・・・其れが石原前都知事が合流を推し進めた要諦ではないのか?
民主党も“寄せ集め度”では相当酷かったが、日本維新の会も同様。橋下市長によると、みんなの党や減税日本(「減税」を売りにしている政党が、消費税増税を主張している政党への合流を望むというのは、冗談としか思えないのだが。)との合流は流石に無くなった様だが、太陽の党との合流だけでも野合としか思えないのに、更に全くスタンスの異なる政党を取り入れるというのは説得力が無く、当然の判断と言える。唯、選挙協力に関しては別物と考えている様なので、其れはおかしな気もするが。
来月の選挙では、民主党が大敗するのは間違い無いだろう。そして自民党と公明党が大幅に議席を増やし、日本維新の会も結構な議席を獲得すると思っている。でも選挙後を考えると、そう遠くない将来に日本維新の会は、四分五裂する様な気がしている。恐らく少なからずの政治家は、自民党に吸収される事になるのではないだろうか。