スワローズが昨夜、2連覇を達成。他の5チームが余りにだらしなかったという面は否定出来ないけれど、其れにしても連覇達成というのは凄い事。スワローズの選手達、そしてファンの皆様、本当におめでとう!!
尚、物心付いた時からずっと応援し続けて来たジャイアンツだが、強い憤りを感じている事が在る。或る事が“決定”したならば、大きな決断をする事になろう。
閑話休題。
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裁判所書記官として働く宇久井傑(うぐい すぐる)。或る日、法廷で意識を失って目覚めると、其処は5年前、父親が有罪判決を受けた裁判の最中だった。冤罪の可能性に気が付いた傑は、タイム・リープを繰り返し乍ら、真相を探り始める。然し、過去に影響を及ぼした分だけ、5年後の“今”が変容。親友を失い、更に最悪の事態が傑を襲う。未来を懸けたタイム・リープの果てに、傑が導く真実とは?
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第62回(2020年)メフィスト賞を小説「法廷遊戯」で受賞した五十嵐律人氏は、現役の弁護士でも在る。そんな彼の第5作目として上梓されたのが、今回読了した「幻告」。此の作品は、SF要素が強いミステリー。
「幼い頃に別れた父親の事を、彼が性犯罪で逮捕された事によって知り、其の裁判を傍聴しに行った傑。無罪を訴える父はずっと背を向けた儘で、顔を見る事は出来なかった。『性犯罪を犯したのに、無罪を主張するなんて、本当に恥ずかしい人間。』と父親を蔑む傑だったが、『被告人の顔が見られる側に行きたい。』と思う様になり、裁判所書記官となる。そんな或る日、父に冤罪の可能性事をが在る事を知る。そして、或る切っ掛けによって過去にタイム・リープし、真相を探り始める。」というストーリー。
タイム・リープは合計で10回を超え、過去も未来もどんどん変容して行く。「過去を変えてしまうと、未来に大きな変化を与え、最悪の場合、自分自身が存在しなくなる可能性も在る。」というのがタイム・リープ物の御約束。過去を変えるというのは、其れ程重大な事の筈なのに、傑達にはそういう観点が抜け落ちている様に感じられる。
又、タイム・リープによって過去も未来も変容して行く中、「今は、何が正しい事実なのか?」が判り難い。何度も頭が混乱してしまったし、其れ故にサクサクと読み進められなかった。
法律や裁判に関する彼此が、色々記されているのは面白いのだが、「犯人及び犯行動機」に意外性は余り無かったし、兎に角、“今の状況”(「此の人は今、どういう状況に在るの?」等。)が判り難いのが致命的。無理筋に思える設定も在ったし。
総合評価は、星3つとする。