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「監察医朝顔」:原作は香川まさひと氏、作画は木村直巳氏が手掛けた日本の漫画。2019年にフジテレビ系列「月9」でTVドラマ化され、以降、同年に特別編、2020年に第2シリーズ、そして昨夜、2回目の特別編「監察医朝顔SP」が放送。「阪神淡路大震災で母・万木里子(石田ひかりさん)を亡くし、其れを切っ掛けに興雲大学で法医学の医師として勤めている万木朝顔(上野樹里さん)が主人公。法医学者の彼女が、発見された遺体の生きた証を見出だす為、ヴェテラン刑事の父・万木平(時任三郎氏)と共に、遺体の謎を解明して行く。」というのが第1シリーズ。以降、朝顔は刑事の桑原真也(風間俊介氏)と結婚し、名前が「桑原朝顔」と変わって、2人の娘を儲ける。又、阪神淡路大震災で行方不明となった妻を探し求めていた平は、長い年月を経て、妻の骨の一部と“再会”出来るが、娘達と同居して幸せな日々を送っている中、若年性認知症に罹患し、娘達の記憶が徐々に事に失われて行く事に、恐怖が生じて来る。」という形で、第2シリーズは終了。
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原作は未読だが、TVドラマ「監察医朝顔シリーズ」は大好きで、全て見続けて来た。なので、昨夜放送されたSPも見たが、泣けて泣けて仕方なかった。
若年性認知症を罹患した平だが、今回は娘達の事が全く判らなくなっている様だ。「じいじ、じいじ。」と甘えて来る孫娘・桑原つぐみ(加藤柚凪ちゃん)の事を目の中に入れても痛くない程に溺愛していた彼だったが、つぐみを前にしても無表情なだけでは無く、「じいじ、じいじ。」と甘えて来る彼女に対して、「五月蠅い!」と怒鳴り付け、突き放してしまう。「認知症が進んでしまうと、“音”に対して過敏に反応してしまう。」事が在るそうで、余りにも変貌してしまった祖父に触れた事で、病気の事が判らないつぐみは号泣してしまう。父方の祖父もうそうだったが、今は母方の伯母が認知症に罹患し、記憶が徐々に薄れて行っている事から、とても他人事には思えなかったし、遣り切れない思いで一杯になった。
泣いてしまったシーンは幾つか在ったが、番組の終盤の「『記憶がどんどん薄れて行く中、愛する娘達に平が書き残した文章。』が見付かり、娘の夫で在り、自分を大事にしてくれた真也、2人の孫娘、そして朝顔に宛てた文章が1つずつ読まれて行くシーンには、涙腺が崩壊してしまった。此のシリーズ全般に言える事だが、「視聴者を泣かせ様。」というあざとい計算が前面に出過ぎず、淡々と描いているからこそ泣けてしまう。又、最後の最後に一瞬だけ「記憶が戻った“様な”平。」が、朝顔に或る言葉を掛けるシーンも、実に良かった。
監察医としてだけでは無く、人としても成長を見せている朝顔の今後を、続編で見てみたい。キャスティングも含め、とても良いTVドラマなので。