昔からそういう“手法”は在ったけれど、安倍晋三首相時代から酷くなったのが“問題点の掏り替え”だ。「自分にとって不都合な事を追及されると、平然と問題点の掏り替えをし、其れでも更に追及されると、餓鬼の様に打ち切れて胡麻化す。熱し易くて冷め易い国民性を“悪用”し、“嵐”が過ぎ去るのを待つ。」というのが安倍首相の十八番で、怒りの声を鎮静化させる目的で“外遊”を繰り返している様にも感じられた。(外遊は非常に多かったが、其れに見合った“結果”を残したとは言い難い。)
彼が加速化させた“問題点の掏り替え”という手法は、彼が亡くなって以降も引き継がれている。「安倍晋三元首相襲撃事件」の背景には「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)による数々の問題」が在り、そんな組織と非常に密接な関係に在ったとしか思えない安倍元首相、そして延いては自民党への激しい怒りが加害者に在ったと言って良い。「自民党=旧統一教会党」という様相を呈し始めた事で、自民党は世界平和統一家庭連合との“手切れ”を主張し出しているが、まあ無理だろう。
又、猛批判が巻き起こった事で、世界平和統一家庭連合は「信教の自由を侵害している!」なんぞと訴えているが笑止千万だ。「特定の宗教を信仰する事を否定している訳では無く、数々の問題を起こしている事を問題視している。」ているのだから、「信教の自由」という概念を持ち出すのは、問題点の掏り替え以外の何物でも無い。
世論の半数以上が反対していたのに、政府が強行した「安倍元首相の国葬」でも、問題点の掏り替えが行われた。国葬に反対する人達に対し「皆、黙って手を合わせて見送れば良い。」、「(国葬が)終わったら、反対していた人達も、必ず良かったと思う筈だ。」、「国葬がどうだとか、こんな時に議論すべきでは無い。」等の発言をした自民党の某大物政治家。傲慢な言動で知られる人物だが、丸で「国葬に反対する人=日本人では無い。」とでも言わん許りの物言いは、不遜さしか感じられなかった。
「“安倍家の葬儀”に対して、ああだこうだ批判するのは、人としておかしい。」といった趣旨の発言をした著名人も居た。国葬賛成派の多くが、似た様な理由を挙げていたけれど、此れも問題点の掏り替えで在る。何故ならば「安倍家の葬儀は疾っくの昔に終わっており、国葬反対派は安倍家の葬儀を批判しているのでは無く、“多額の血税”(16億円では済まないだろう。)を投入して行われる国葬。」に反対しているのだから。「幾つもの疑惑を抱えた儘亡くなった人物を、多額の血税を投入して国葬とするのはおかしい。」という事で在り、安倍家の葬儀とは全く無関係。
問題点の掏り替えに騙されてはいけない。_