ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「祈りのカルテ 再会のセラピー」

2022年09月28日 | 書籍関連

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研修を経て、循環器内科となった諏訪野良太(すわの りょうた)は、学会発表を終えた帰り、医学生時代の同級生で在る小鳥遊優(たかなし ゆう)
遭遇する。小鳥遊が連れていた研修医鴻ノ池舞(こうのいけ まい)に、研修のエピソードを求められた諏訪野の脳裏蘇るのは、親身に寄り添って来た患者達の事。丸で戦場の様な救急部、心の傷と向き合う形成外科掛け替えの無い或る人”との出会いと別れを経験した緩和ケア科。切なくも温かな記憶の扉が、今開く。
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現役医師でも在る作家知念実希人氏。今回読んだ「祈りのカルテ 再会のセラピー」は彼の作品で、「『祈りのカルテシ』リーズ」の第2弾。「純正会医科大学を卒業し、純正会医科大学附属病院に研修医として入った諏訪野良太が、初期臨床研修で各課を回っている中、様々な“事件”に巻き込まれ、研修医としてだけでは無く、人としても成長して行く姿を描いた。」のが第1弾「祈りのカルテ」で、自分は総合評価「星4つ」を付けた。

「祈りのカルテ 再会のセラピー」では、良太は30歳となっており、一人前の医師として働いている様だが、医学生時代の同級生・小鳥遊優と再会した事で、研修医時代の話となる。詰まり此の作品“も”、メインとなっているのは、研修医時代の良太の姿だ。

プロローグ、3つの短編小説、2つの幕間、そしてエピローグ」で構成された「祈りのカルテ 再会のセラピー」。複雑な家庭環境で育った事から、周りの目を過度に意識し、人の顔色を窺うが付いてしまった涼太。其の事で相手の気持ちを汲み取るのは得意だが、一方で相手に感情移入し過ぎて、必要以上に影響され過ぎてしまうという面も有している嘗て精神科で研修した際には、指導医から君は患者に、というか他人にシンパシーを寄せすぎる傾向があるのよ。もし精神科医になったら、多分五年以内に、君は治療を受ける側に回ることになる。と言われた程。患者の側からすると、自身の側に寄り添ってくれる医師は有り難いけれど・・・。

形成外科での研修を振り返った作品「割れた鏡」は面白く、「矢張り『祈りのカルテ』シリーズは良いなあ。」と思っていたら、最後の作品「二十五年目の再会」は更に良かった意外過ぎる人間関係に驚かされ、そして副題に「再会のセラピー」と付けられた理由に納得。ぐっと来る物が在ったし、良太が更に成長した事を感じさせる作品だった。

今回の作品に登場する小鳥遊優や鴻ノ池舞等は、知念氏の作品「天久鷹央の推理カルテ』シリーズ
」に登場するキャラクター。「『天久鷹央の推理カルテ』シリーズ」は全部読んでいないので違っているかも知れないが、シリーズに良太は登場していない違うシリーズのキャラクターを登場させる事で、知念ワールドは更なる広がりを見せる事に。

記事「死神と天使の円舞曲」の中で指摘した様に、プライヴェートでは“ネトウヨ気質言動”を繰り返している知念氏其の姿勢は、相変わらずの様だ。どんな思想を持とうが、どんな主張を持とうが、明々白々法律抵触したり、人様に迷惑を掛けない範囲で在れば、其れは全くの自由だが、ネトウヨに在り勝ちな「デマ拡散や、明らかな間違いを指摘されると無視したり、見苦しい言い訳に終始する。」というのは本当に残念だし、人としてどうかと思う傍目から見ていると、他者から誤りを指摘されると、却って向きになって、自身のスタンスを押し通そうとする。」という癖が、彼には在る様だ。彼が敬愛して止まない安倍晋三首相も同じ癖を有していたが、実に幼稚。誤りは誤りとしてすぱっと認める潔さが無ければ、何を言おうとも説得力を持ちないだろう。

人としてはどうかと思うが、作品自体はは素晴らしい。総合評価は、星4つとする。


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