先週の土曜日、飼い犬を連れて、少し離れた場所を散歩した。其処は住宅街で在るのだが、周りに小高い山が幾つか在る等、そこそこ自然が残っており、季節の花々を見乍ら歩くには絶好の場所。
「木蓮が綺麗だなあ。」とか「桜の蕾が綻んでいる。」とかと目の保養をしていた所、目の前を何かがスッと横切って行った。一瞬「猫か?」と思ったのだが、山の斜面の叢に入って行く姿を見ると、何と野生の狸だった。我が家の近所でも大昔は、狸を見掛ける事が偶に在ったけれど、見掛けなくなって久しい。「住宅街の傍というのに、未だ狸が居るんだ。」と驚き及び嬉しさが込み上げて来た。
叢に入るも、隙間からじーっと此方を見詰めている狸。円らな目が、何とも愛らしい。体長からすると大人の様だが、食べる物が余り無いのか、痩せているのが気になった。余りの愛らしさに、暫く其の姿を凝視していたのだが、ふっと其の山の前に掲げられている看板を見ると、其処にはビルが建築される事になっており、工事が近々開始となる旨が記されていた。「此の狸は間も無く、住み処を失う事になるのか。此れから、どう生きて行くのだろう?」と思うと、何とも言えない気持ちになってしまった。
そして翌日の日曜日、早朝に家族を車で駅迄送り、帰宅する途中、道路脇に猫の死体が転がっているのを目にした。頭から血を流し、絶命していたのだが、道路に付着した血と猫の位置を考えると、誰かが「此れ以上轢かれるのは可哀想。」と、道路脇に動かしたのかもしれない。
飼い猫なのか野良猫なのかは不明なれど、車に轢かれて亡くなった現実。住み処を失った狸も、此の猫と同じ運命を辿るのかもしれない。動物との共存は、年々難しくなって行っている様に思う。
サーマルビジョンをレンタルして大きな公園で使ってみて下さい。
これは物体から投射される赤外線量をセンサーで測り、ディスプレイに表示する機器ですが、
気温の低い時期に使用すると、思わぬ程に都会の公園や埋立地に生物が潜んでいるのが解ります。元々は軍用で高価な機材ですが、米軍が軍用スマホに利用した事で、狩猟者やバードウォッチャー向けの廉価版が出回り、アウトドア機材のレンタル大手では扱っているようです。
お金をかけないならば、公園や農地などの(雨上がりの)足跡や、糞を観察します。
思わぬ程に沢山の鳥や獣の痕跡を観ることができますよ。
以前、昼間に渋谷を歩いていた所、目の前を途轍も無くデカい鼠が、数匹横切って行きました。野生の熊鼠だった様ですが、「こんな都会に・・・。」とビックリしました。
でも、「残飯等が溢れ返っており、程良い温かさがキープされている都会だからこそ、野生動物にとっては暮らし易い。」という面が在るのでしょうね。
野生動物と言えば、どうしても地方に生息していると思い勝ちだけれど、其の考えに変化を与える一件でした。