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「ミケランジェロの未完成絵画か NY民家で発見」(10月12日、共同通信)
米紙ニューヨーク・ポストは11日、イタリア・ルネサンスの巨匠、ミケランジェロが聖母子像ピエタを描いたとみられる未完成の絵画がニューヨーク州の民家で見付かったと報じた。専門家の鑑定で真作の可能性が高いとしている。英紙デイリー・テレグラフ(電子版)は「真作とすれば3億ドル(約240億円)の価値は在り、美術史上、世紀の発見。」と報じた。
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つい先達てには、「70年間も人が訪れる事の無かったパリのアパートの一室から、約2億4千万円の名画が発見された。」というニュースが在った。発見された絵はイタリアのジョヴァンニ・ボルディーニという画家が或る舞台女優を描いた肖像画で、此の絵のモデルの孫が借りていたのが発見現場だったとか。高額な絵が、人知れず眠っていた訳だ。
意外な場所から御宝が発見されるというのは、時々ニュースで見聞する。蚤の市の様な古物市で安く購入した机や鞄の中から、高価な御宝が発見されたというパターンが多いけれど、購入した人は宝籤で高額金を引き当てた様な物だろう。全く羨ましい限り。
ガキんちょの頃、近所の物寂しい神社の境内で、意味不明な文字やマークを目にした時、友人達と「御宝の隠し場所を記しているのかも。」と、スコップで土を掘り返したりした。釘とかゴミが出て来るだけだったのは、言う迄も無いけれど。
曰く「大昔から引き継いで来た我が家の家宝。」という掛軸が在った。押入れの奥にポンと放り込まれた掛軸が十数幅在り、「中には1幅で百万円以上の物も在る。」と、亡くなった父が良く言っていた。亡くなってから暫くは押入れの中に入れたままにしていたのだが、十数年前に取り出してみた所、あちこちが破れた状態に。放り込んだままにしていたのだから、状態が最悪なのは当然の事。「此のまま置いておいたら、朽ちてしまうだけ。今の内に古物商に売った方が良いだろう。」と家族会議で結論が出され、近くの古物商に持って行った。「十数幅で幾らになるんだろう?高価で売れたら車の購入費か、家のリフォーム代に使おう。」等と考えつつ、鑑定を待ったのだが・・・。
鑑定結果は「全部で十万円一寸。」という事で、思わず「全部でですか?」と聞き直してしまった。「桁が一桁違うんじゃないか?」とも思ったからだ。しかし店主の答えは「残念乍ら、高価な物は在りませんでした。」という物。「本当は高価な品物なのに、こっちが価値が判らないと思って騙そうとしているのでは?」という疑念が過りはしたけれど、古物に関する審美眼が自分に備わっている訳でも無く、「まあ良いか。」と全部買い取って貰う事に。「最低でも2百万円位かな。」という“御宝幻想”が消えた一瞬でも在った。
「ミケランジェロの未完成絵画か NY民家で発見」(10月12日、共同通信)
米紙ニューヨーク・ポストは11日、イタリア・ルネサンスの巨匠、ミケランジェロが聖母子像ピエタを描いたとみられる未完成の絵画がニューヨーク州の民家で見付かったと報じた。専門家の鑑定で真作の可能性が高いとしている。英紙デイリー・テレグラフ(電子版)は「真作とすれば3億ドル(約240億円)の価値は在り、美術史上、世紀の発見。」と報じた。
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つい先達てには、「70年間も人が訪れる事の無かったパリのアパートの一室から、約2億4千万円の名画が発見された。」というニュースが在った。発見された絵はイタリアのジョヴァンニ・ボルディーニという画家が或る舞台女優を描いた肖像画で、此の絵のモデルの孫が借りていたのが発見現場だったとか。高額な絵が、人知れず眠っていた訳だ。
意外な場所から御宝が発見されるというのは、時々ニュースで見聞する。蚤の市の様な古物市で安く購入した机や鞄の中から、高価な御宝が発見されたというパターンが多いけれど、購入した人は宝籤で高額金を引き当てた様な物だろう。全く羨ましい限り。
ガキんちょの頃、近所の物寂しい神社の境内で、意味不明な文字やマークを目にした時、友人達と「御宝の隠し場所を記しているのかも。」と、スコップで土を掘り返したりした。釘とかゴミが出て来るだけだったのは、言う迄も無いけれど。
曰く「大昔から引き継いで来た我が家の家宝。」という掛軸が在った。押入れの奥にポンと放り込まれた掛軸が十数幅在り、「中には1幅で百万円以上の物も在る。」と、亡くなった父が良く言っていた。亡くなってから暫くは押入れの中に入れたままにしていたのだが、十数年前に取り出してみた所、あちこちが破れた状態に。放り込んだままにしていたのだから、状態が最悪なのは当然の事。「此のまま置いておいたら、朽ちてしまうだけ。今の内に古物商に売った方が良いだろう。」と家族会議で結論が出され、近くの古物商に持って行った。「十数幅で幾らになるんだろう?高価で売れたら車の購入費か、家のリフォーム代に使おう。」等と考えつつ、鑑定を待ったのだが・・・。
鑑定結果は「全部で十万円一寸。」という事で、思わず「全部でですか?」と聞き直してしまった。「桁が一桁違うんじゃないか?」とも思ったからだ。しかし店主の答えは「残念乍ら、高価な物は在りませんでした。」という物。「本当は高価な品物なのに、こっちが価値が判らないと思って騙そうとしているのでは?」という疑念が過りはしたけれど、古物に関する審美眼が自分に備わっている訳でも無く、「まあ良いか。」と全部買い取って貰う事に。「最低でも2百万円位かな。」という“御宝幻想”が消えた一瞬でも在った。