現在開催中の「リオデジャネイロ・オリンピック」では、日本人選手の活躍が目立ち、同胞としては嬉しいのだけれど、其の一方で、何処のTV局も横並びで延々とオリンピック関連の話を垂れ流しているのには、正直閉口してしまう。スポーツ番組なら未だしも、ニュース番組ですらそんな感じなのだから、他のニュースを詳しく知りたい者としては、「もう好い加減にしてくれよ。」という気持ちになる。
一昨日、今上天皇のヴィデオ・メッセージが公開されたが、其の中に「天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、此れ迄にも見られた様に、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶ事が懸念されます。」という発言が在った。恐らくは「昭和天皇が重篤な状況に陥り、そして亡くなって以降の長期に亘って国を覆い尽した、異常な程の自粛ムード。」に付いて、懸念を示された物と思われる。
TV局は朝から晩迄、横並びに皇室関連の話題許り放送していた彼の頃は、「見たい番組が無い。」という事で、レンタルヴィデオ店を訪れる客が急増したという話も在った。自分もそんな1人だったので、今回の今上天皇の懸念には、全く同じ思いが在る。
話を戻すが、「オリンピック関連の話を延々と見たい。」という視聴者も居るだろうけれど、「其れ以外の内容の番組が見たい。」という視聴者だって居る筈。「A局は延々とオリンピック関連の話を放送するが、B局はさらっと放送する。」みたいな減り張りが在っても良いのではないか?
再放送でお茶を濁すのもそうですが、知恵や予算がないのなら24時間放送を垂れ流すのをやめればと思いますねえ。
他にすることがないからとか、寂しいからという理由で漫然とテレビを付けている人を見かけますが、テレビ局の怠慢のツケではないかと。
「制作費が少ない分、知恵を絞って“斬新な企画”で勝負する。」というのが、テレビ東京系列のスタンス。「開運!なんでも鑑定団」や「元祖!大食い王決定戦」等は其の典型ですが、他局の場合は他所の局で当たった企画をパクり、垂れ流す傾向が強い。だから、同じ様な番組が垂れ流されている。出演者に関しても、何のチャンネルを見ても、同じ様な顔触れ許り。
自分の世代で言えば、「8月8日=フジテレビの日」というイメージが、嘗ては在りました。同局が関東圏では「8チャンネル」だった事から、(フジテレビが)「8月8日はフジテレビの日」と宣伝し、同日には特番が組まれていたもの。飛ぶ鳥を落とす勢いだった同局の源泉が、「身内弄りと公共の電波を使っての自社イヴェント宣伝。」に在ったとすれば、今はそういう姿勢が視聴者に嫌われ、低迷状態に在るのだと思います。「驕る平家は久しからず」で、現状に安穏としていると、未来は無いですね。