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目覚めると、彼女は病院のベッドで点滴を受けていた。何故、こんな場所に居るのか?監禁された男女5人が、拉致された理由を探る。
クラウン(ピエロ)からのミッション、手術室の男、2つの死の謎、事件に迫る刑事。タイム・リミットは6時間。
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医師で在り作家でも在る知念実希人氏の小説「時限病棟」は、先日読んだ「仮面病棟」の続編。「仮面病棟」は2014年12月、そして「時限病棟」は2016年10月に上梓されている。
現役の医師で在るからこそ、医療に関する記述は詳細。詳細だからこそ、“異常な設定”には“グロさ”を感じる人も居る事だろう。
クラウンの正体に関しては、早い段階で見当が付いた。“ヒントを与えるタイミング”に、凄く不自然さを感じたので。けれど、“或る人物(男性)”の正体は意外性が。
残念だったのは、単純な誤植が在った事。自分が読んだのは実業之日本社から上梓された文庫の“初版”だが、本来は「HLA」と記されるべき用語が、328頁で1ヶ所だけ「HAL」と誤植されている。単純ミスと言えば、其の通りなのだろうけれど、こういう単純ミスは“作品世界”から“現実”に引き戻してしまう。本当に残念だ。
「仮面病棟」よりは面白かったけれど・・・総合評価は、星3つとする。