2010年辺りから、年間ミステリー・ランキングで良く名前を見掛ける様になった小説家・東川篤哉氏。10代の頃に好んで読んでいた赤川次郎氏を彷彿させるユーモラスな作風が特徴だが、正直に言うと少々苦手な部分が在ったりする。
*********************************
転落死した社長令嬢の部屋から、赤いハイ・ヒールが消えたのは何故?老人の最期を見ていた鸚鵡が狙われる理由は?ライオン探偵・生野エルザ(しょうの えるざ)と助手・川島美伽(かわしま みか)に、難事件と災難が降り掛かる。
*********************************
今回読了した「ライオンは仔猫に夢中 ~平塚おんな探偵の事件簿3~」は、「平塚おんな探偵の事件簿シリーズ」の第3弾。4つの短編小説から構成されている。
平塚で「生野エルザ探偵事務所」を営むエルザは、見た目や気性から“雌ライオン”の異名を持つ。依頼客に対してぞんざいな物言いで接する彼女だが、名探偵としても知られている。高校時代の友・美伽を助手にして、難事件を解決して行くというのが、「平塚おんな探偵の事件簿シリーズ」のストーリー。
御笑い大好き人間だが、過去に何度か記した様に、明石家さんま氏の笑いが苦手。何が苦手かと言えば、彼が好んで用いる“1人ボケ&ツッコミ”。「俺、〇〇やねん・・・って、何を言うてんの!」みたいな、自分でボケて、即座に自分でツッコミを入れるという彼の手法だが、近年ではアイドル(男女を問わず。)もワンパターンで用いるので、ウンザリしたりもしている。自分が東川作品が苦手な理由は、彼の文章にこういった“1人ボケ&ツッコミ”が目立つから。今回の作品でも散見され、其の都度読むのをストップしてしまった。
エルザのキャラクター、間違い無くキャラ立ちしているのだが、キャラが濃過ぎて、イラっとさせられる所も。ストーリー展開は悪く無いものの、肝心のトリックや犯行動機に強引さを感じる等、全体的にはパッとしない。
総合評価は、星3つとする。