10年前の昨日、2千円札が発行された。「十年一昔」と言うけれど、時流の変化が著しさを増している昨今、10年は一昔どころか二昔といった感じも。昨日のニュースでインタヴュアーが小学校低学年位の子に2千円札を見せて「此れ、何だか判る?」と質問した所、その子は即座に「日本の昔の御金。」と答えていた。今でも使用されている紙幣なのに、「昔の御金」と言われてしまう。この紙幣が如何に普及していないかを、如実に表わしているシーンだった。
発行当初から「2千円札なんて必要無いよ。」という声は多かった。発行後暫くは見掛ける事がそこそこ在ったけれど、案の定と言うべきか、近年は全く見掛けない。「他の紙幣と間違え易いので、持っていたくない。」という理由は結構耳にしていたけれど・・・。
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「二千円札、普及進まず丸10年=薄れる存在感、健闘は沖縄のみ」(7月17日、時事通信)
2000年の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)開催に合わせて導入された二千円札が、19日で発行から丸10年を迎える。流通量は2004年8月末のピーク時に5.1億枚を記録し、五千円札を上回ったが、その後は低迷。2009年度末には1.1億枚と紙幣全体の0.9%迄落ち込んだ。
二千円札に描かれた首里城「守礼門」が在る沖縄県では健闘しているものの、高額紙幣が使い易いという日本特有の事情や、旧来の御札に比べた馴染みの薄さから普及は進んでいない。
「2」の付く紙幣は海外では一般的だ。2008年末のデータによると、米国では二十ドル札の流通シェアが百ドル札と同じ23.1%。欧州でも二十ユーロ札が20%在り、英国に到っては二十ポンド札が半分以上を占める。日銀発券局の清水紀男局長は欧米の状況に付いて「偽造対象に為り難い中・小額紙幣が好まれるのでは。」と指摘する。
ところが、紙幣の偽造防止技術が高い日本では、海外に比べ偽札事件も少なく、高額紙幣が安心して使える。「一万円札と千円札で事足りてしまう。」と、清水局長は二千円札の需要が伸びない理由を解説する。
又、金融機関の現金自動預払機(ATM)では、沖縄等一部の地域を除き、預け入れは出来ても払い出しの対象になっていない場合が多い。大半の自動販売機で使えない事も普及を阻む要因となっている様だ。
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日本の1万円札及び5千円札は、アメリカで言えば100ドル札及び50ドル札に当該すると考えて良いだろう。「紙幣の偽造が珍しくないアメリカでは、100ドル札や50ドル札を使用してそれが偽造だった場合、使った側も使われた側もダメージは大きい。と言って1~10ドル札では嵩張るし、20ドル札なら仮に偽造でも、ダメージはそれ程大きくはない。」、そんな思考がアメリカ国民に強く在るのかなあと思ったりも。
海外で上手く行っているからといって、日本で同じシステムが上手く行くとは限らない。「環境の違い」が其処に介在しているからだが、2千円札が普及しないのも、そんな一例と言えるだろう。個人的には「在り。」と考える子ども手当だけれど、これも「海外で上手く行っているからといって、日本で同じシステムが上手く行くとは限らない。」というケースになるかもしれないが、時代の変わり目だからこそ色々実験的に新しい試みをするのは悪くないと考えている。上手く行かなければ、改めれば良いのだから。
発行当初から「2千円札なんて必要無いよ。」という声は多かった。発行後暫くは見掛ける事がそこそこ在ったけれど、案の定と言うべきか、近年は全く見掛けない。「他の紙幣と間違え易いので、持っていたくない。」という理由は結構耳にしていたけれど・・・。
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「二千円札、普及進まず丸10年=薄れる存在感、健闘は沖縄のみ」(7月17日、時事通信)
2000年の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)開催に合わせて導入された二千円札が、19日で発行から丸10年を迎える。流通量は2004年8月末のピーク時に5.1億枚を記録し、五千円札を上回ったが、その後は低迷。2009年度末には1.1億枚と紙幣全体の0.9%迄落ち込んだ。
二千円札に描かれた首里城「守礼門」が在る沖縄県では健闘しているものの、高額紙幣が使い易いという日本特有の事情や、旧来の御札に比べた馴染みの薄さから普及は進んでいない。
「2」の付く紙幣は海外では一般的だ。2008年末のデータによると、米国では二十ドル札の流通シェアが百ドル札と同じ23.1%。欧州でも二十ユーロ札が20%在り、英国に到っては二十ポンド札が半分以上を占める。日銀発券局の清水紀男局長は欧米の状況に付いて「偽造対象に為り難い中・小額紙幣が好まれるのでは。」と指摘する。
ところが、紙幣の偽造防止技術が高い日本では、海外に比べ偽札事件も少なく、高額紙幣が安心して使える。「一万円札と千円札で事足りてしまう。」と、清水局長は二千円札の需要が伸びない理由を解説する。
又、金融機関の現金自動預払機(ATM)では、沖縄等一部の地域を除き、預け入れは出来ても払い出しの対象になっていない場合が多い。大半の自動販売機で使えない事も普及を阻む要因となっている様だ。
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日本の1万円札及び5千円札は、アメリカで言えば100ドル札及び50ドル札に当該すると考えて良いだろう。「紙幣の偽造が珍しくないアメリカでは、100ドル札や50ドル札を使用してそれが偽造だった場合、使った側も使われた側もダメージは大きい。と言って1~10ドル札では嵩張るし、20ドル札なら仮に偽造でも、ダメージはそれ程大きくはない。」、そんな思考がアメリカ国民に強く在るのかなあと思ったりも。
海外で上手く行っているからといって、日本で同じシステムが上手く行くとは限らない。「環境の違い」が其処に介在しているからだが、2千円札が普及しないのも、そんな一例と言えるだろう。個人的には「在り。」と考える子ども手当だけれど、これも「海外で上手く行っているからといって、日本で同じシステムが上手く行くとは限らない。」というケースになるかもしれないが、時代の変わり目だからこそ色々実験的に新しい試みをするのは悪くないと考えている。上手く行かなければ、改めれば良いのだから。
1年ほど前に日銀からの指示らしく、銀行が一斉に2千円札の放出をしたことがありますが、それっきりでした。やはり使いにくさが原因でしょう。
やる前からああだこうだと難癖をつけるより、とにかくやってみてダメなら修正すればいい・・・その通りだと思います。政治でも、一通りいろんな政党に政権を任せてみるのも、無責任野党(与党?)を無くす効果があるかも。選択する側の国民も忍耐と見る眼を養う必要がありますが。
家の母親も言っていましたが、特に高齢者の間では「他の紙幣と勘違いして、使ってしまいそう。」という懸念の声が多い様ですね。又、2千円札が使用出来ない自動販売機が殆どで在る等、機械関係が未整備の内に焦って発行してしまった感も在り、それが余計に普及の足枷になった様にも。
政権をずっと担って来た自民党。良い面も間違い無く在ったとは思っていますが、長期政権での“組織疲労”が顕著だったのは事実でしょうね。「国民の為」を連呼し乍ら、その実は大企業や高所得者に専ら目を向けてしまった。抜本的改革を行わなければいけなかったのに、国民生活とは無関係な形式的な事ばかりをアピールしていたのが、駄目押しになった様に感じます。
古今東西を問わず、時代の転換期には「思い切った方策」で現状を打開するというのはまま見られた事。端から「これは駄目だ。」と否定するのでは無く、色々実験的な取り組みをしてみるのは決して悪くない。駄目ならば、直ぐに改めれば良い。否定に否定を重ねるばかりでは、この国は益々沈んで行くばかりだと思うし。