ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「キング&クイーン」

2010年07月19日 | 書籍関連
小学生だった頃、友人から「ベビースターラーメンに付いている点数を集めて応募すると、ゲーム・セットが当たるってよ。XX公園のゴミ箱にベビースターラーメンの空き袋が一杯捨ててあったから、拾いに行かない?」と誘われた。テレビゲームなんて無かった時代、テーブルゲームがドッサリ貰えるなんて夢の様で、ゴミ箱を漁る羞恥心かなぐり捨てて、近所に在った大きなXX公園に友人3人と向かったのだった。

夏の暑い盛りだったと記憶しているが、べとつくアイスクリームの空容器に混じって、ベビースターラーメンの空き袋がごっそり捨てられていた。それを4人のガキんちょが手当たり次第に拾い集める様、傍目からは嘸かし奇異に見えた事だろう。各人が数口分の応募点数をゲットする事になったのだが、結局当選したのは自分一人だった。或る日、松田産業有限会社(おやつカンパニーの旧社名)から大きな小包が届き、開けてみたら大層立派で頑丈な木製の手提げケースが入っており、その中には手品セットやトランプ、オセロ等、数多の“宝物”が。中でも自分が興味を持ったのは初めて目にするチェスで、「キング」に「クイーン」、「ルーク」、「ビショップ」、「ナイト」、そして「ボーン」という特徴的な6つの駒が何とも魅力的だったのだ。ルールなんか全く知らなかったので、図書館でチェスの入門書を借りて来て覚え、友人と結構遊んだもの。

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私はもう見捨てない。或る事件を切っ掛けに警察官を辞めた元SP冬木安奈。六本木のバー「ダズン」で働いていた彼女に、行方を晦ましていた元チェス世界王者の“天才”アンディ・ウォーカーの警護依頼が舞い込む。依頼者の宋蓮花は、「アメリカ合衆国大統領に狙われている。」と言うのだが・・・。
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柳広司氏の「キング&クイーン」は、チェスを題材にしたミステリー。同氏の作品は「ジョーカー・ゲーム」及び「ダブル・ジョーカー」しか読んでいないのだが、共に完成度が高い内容だったので、「キング&クイーン」も大きな期待を持って読み始める事に。

上記如く幼少期にチェスを少々嗜んだ事も在り、チェスに関する記述には余り抵抗感が無かったのだけれど、チェスに馴染みの無い人にとっては「情報の多さ」が「くどさ」に感じるのではないかという懸念が。又、これに読んだ同氏の2作品と比較すると、登場人物達の描かれ方に浅さを感じ、ストーリーに今一つ没頭出来なかった面も。アンディ・ウォーカーとアメリカ合衆国大統領との関係性も、少々無理を感じないでは無かったし。

この小説だけで言えば星3つの総合評価を与えて良いのかもしれないけれど、「ジョーカー・ゲーム」及び「ダブル・ジョーカー」と同等以上の完成度の高さを期待していた分ガッカリ感が強く、星2.5個とさせて貰う。

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