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「法案成立の暁、近い内に信を問う・・・3党首合意」(8月8日、読売新聞)
野田首相(民主党代表)と自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表は8日夜、国会内で会談し、社会保障・税一体改革関連法案の早期成立と、法案が成立した暁には、近い内に国民に信を問う事で合意した。会談終了後、野田首相が記者団に明らかにした。
首相は、一体改革関連法案が廃案になる可能性に付いて、「今、合意したので、そういう事は無い。」と述べた。
又、「ギリギリの局面で決めなければいけない時に、改めて御互いに議論して確認出来た。野党が内閣不信任、問責という政党としては重たい決断をしないという事は大変重たい。そういう判断に心から感謝申し上げたい。」と語った。
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報道によると、「昨日の午前中の時点では、野田首相サイドが提案した『近い将来、国民に信を問う。』という表現に対し、自民党サイドが『“近い将来”という曖昧な表現では、受け容れられない。』と拒絶した。」そうだが、合意した「近い内」と拒絶した「近い将来」では大差が在るとは思えない。「来夏の任期満了迄『衆議院議員総選挙』を行いたくないで在ろう民主党としては、『近い将来=出来るだけ先』とする。」だろうし、「一日も早く与党の座に返り咲きたいで在ろう自民党&公明党としては、『近い将来=遅くても9月内』と考えている。」に違いない。
与党も野党も「国民の事なんか全く頭に無く、自分達の利益しか考えていない。」点では同じだが、もう1つの点で「全く同じ思い」を有していると、自分は考えている。
「日本の将来の為、消費税増税は不可避。国民に重荷を背負わせる以上、政治家も我が身を切らなければいけない。」と与党、そして野党の多くが“御為ごかし”を口にし続けている。だがしかし、消費税増税法案を通すよりも遥かに楽な筈(多くの政党が賛成しているのだから。)の「議員定数削減法案」は遅々として、成立する気配が無い。そりゃあそうだろう。殆どの政治家は、「議員定数は、少しでも減らしたくない。」と考えているで在ろうから。
“近い将来”、衆議院議員総選挙が行われた際、“恐らくは”「現在の議員定数の儘」で行われると予想している。もしそうで在れば衆議院議員に関しては、“少なくとも”約4年間は身を切らないで済む訳だ。“どさくさに紛れての先送り”と言って良い。
国民には次から次へと重荷を背負わせる一方、政治家達は“既得権益の死守”に奔走。国民には相続税の負担を更に増させようとするが、自らは「政治資金管理団体を介在させる事で相続税零、即ち“事実上の脱税”をしている連中が、「愛国」だ何だと叫んだ所で、全く説得力を持ち得ない。
政策や人物が投票の基準でなく、地縁血縁の義理や有名度で選んだり、そもそもせっかくの選挙権を自ら放棄するような、無気力でまとまらない相手では、本気で何かを改善しようなんて思わないのでしょう。
省庁間では角を突き合わせている官僚達も、既得権益の死守という点では、一致団結して向かって来る。国民の生活を守るという点で、其のパワーを使って欲しいものですが・・・。
政治家も同様。民主党も然る事乍ら、戦後ずっと甘い汁を吸って来た自民党は、普段何れだけ揉めていても、矢張り既得権益が侵されそうになると、一致団結して死守して来る。
官僚は別にしても、政治家を選んでいるのは我々国民。仰る様に「地縁」やら「人の縁」やら“だけ”で政治家を選んでいる人間が、未だに多い現実に辟易としてしまいます。自分さえ良ければ・・・という思いが強いのでしょうが、其れでは此の国の未来は明るくないでしょう。