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太平洋の小さな島、三宅島。其処で民宿を営む野山一家。小学生の芯(土師野隆之介君)は、生まれた許りの子犬に「ロック」と名付け、愛情を注ぐ。2000年8月、三宅島・雄山が大噴火する。島外避難をする事になった野山一家だが、其の矢先、ロックがいなくなる。
慣れない東京での避難生活が始まるが、必ず島に帰る、ロックは生きてる、という希望を胸に、一家は毎日を懸命に生きて行く。そんな或る日、芯達は噴火災害動物救護センターでロックと奇跡の再会を果たす。しかし、避難住宅では犬は飼えない。どんどん体調を崩し弱って行くロック。島には何時帰れるかも判らない。様々な不安と葛藤の中、芯は或る決意をするのだった。
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「どんな名優でも、子役や動物の前では、其の存在感を食われてしまう。」と良く言われるが、本当に其の通りだと思う。其れだけ子役や動物の愛らしさは、見ている者を魅了してしまうもの。今回観に行った映画「ロック ~わんこの島~」も、子役と子犬の愛らしさに“撃沈”させられてしまった。
2000年8月の「三宅島大噴火」では全島民が島外避難する事になり、帰島が認められたのは4年5ヶ月後の事。「島外避難する際に愛犬ロックと逸れてしまった家族が、再びロックと再会を果たし、軈ては“家族全員”で帰島する事になった。」という実話が元になった作品と言う。
ロックも然る事乍ら、芯役の土師野隆之介君の愛らしさが堪らない。喜怒哀楽の表情が実に自然で、何と言っても観ている者を捉えて離さない「目の演技」が素晴らしい。ロックと触れ合っている時の雰囲気なんぞは、心底癒やされたし。
今年3月11日に発生した「東日本大震災」等、我々は多くの自然災害をリアル・タイムで見聞して来たし、時には自らが被災して来た。だが自らが被災した場合は別としても、其れ以外の自然災害に関しては、哀しいかな時の経過と共に「其の恐ろしさ」や「被災した人々の苦しみや哀しみ」が薄れてしまい勝ち。「三宅島大噴火の際、被災者達がどういう状況に置かれていたか。」を思い出させる許りで無く、「今も苦労をされている三宅島の人々。」というのを認識させられた作品だった。
芯達がロックと再会するシーンが2度出て来るのだけれど、ついつい滂沱してしまった。と言って、「御涙頂戴の演出」という感じは無く、「非常に丁寧に作られた作品。」というのが好印象。
失礼を承知で書くと、芯の祖母・野山房子役を演じておられた倍賞美津子さんが余りに老け込まれていたのはショックだったけれど、「元気の良い婆ちゃん」を好演していたと思う。「子供や動物が登場する作品には、評価が甘過ぎる。」と指摘されるのは覚悟の上で、総合評価は星3.5個としたい。
おりがみ様も、此の作品を見られたのですね。ワンコの登場する映画はどうしても見たくなってしまうし、甘い評価を付けてしまい勝ちなのだけれど、兎に角見ていて涙腺がウルウルしてしまう内容でした。
父親が母親の胸をムギュッと掴むシーン、男性の自分には少々気恥ずかしさも在り、館内の反応をチラッと確かめてしまったのですが、ああいう事が何気無く出来るっていう関係性は、確かに良いですね。仄々としたし。
被災地の炊き出しの経験と合わせて
さらに20代のころ三宅島の方たちと交流をしていたため思いはシンクロしまくってました。
ロックの「演技」には涙腺決壊でした。
そして「二度目の再会」はもう「やられたー!!」って思いました。
芯はなぜ彼が演じたのか、の謎も解けました。
あと芯の父親が母親の胸をつかむシーンがあるんですが・・あそこ「キュン」ときたな・・。
ああいうなにげない触れ合いが大事なんだと思うのであります。