国政選挙が行われる際、マス・メディアは其れ其れに「選挙予測」を発表するが、個人的に一番注目しているのは「日刊ゲンダイの選挙予測」だ。「的中率が非常に高いから。」というのが理由では無く、寧ろ全く逆で「日刊ゲンダイの選挙予測は、"正反対の結果"に成る事が殆ど。」だから。元々同紙は"反権力的な色合い"が非常に強く(そういう所が、個人的には好きなのだが。)、自民党に対しては"厳しい目"を向けているメディアの代表格と言って良いが、第2次安倍晋三政権以降の国政選挙では悉く「自民党の(大)苦戦を予測。」するも、(記憶違いで無ければ)全て「自民党の圧勝。」という結果に成っている。なので、「自民党に関する日刊ゲンダイの選挙予測は、正反対の結果に成る。」と自分は考えている。
今回行われた「第50回衆議院議員総選挙」、日刊ゲンダイの選挙予測は「自民党の大敗」だった。他のメディアも「自民党が議席を大幅に減らし、与党(自民党+公明党)合わせても過半数(233議席)に届かない可能性も。」という選挙予測を次々と出していたので、「与党が議席を減らすのは確かだろうが、何しろ日刊ゲンダイが『自民党の大敗』と予測しているだけに、そんなに大幅に減らす事は無いんじゃないかなあ。」と思っていたのだが・・・。
此の記事を書いている時点で、未だ全議席は確定していない。なので、飽く迄も"途中経過"を踏まえての内容に成る事を御了承戴きたいが、NHKの報道によれば「与党の過半数割れは確実。」なのだとか。与党の公示前勢力は「自民党256議席、公明党32議席の合計288議席だった。」が、未確定議席「27議席」の段階で「自民党185議席、公明党22議席の合計207議席。」と成っている。残り少なくなってからの自民党の"上積み"は「流石、底力が在るな。」と思わされたものの、与党が大幅に議席を減らすのは確かだ。問題は、「与党が何の程度、過半数に届かないか?」だろう。
途中経過から感じるのは、「『旧統一教会問題(自民党と旧統一教会との、異常な迄の癒着。)』と『政治資金パーティー収入の裏金問題』に加え、『首相に就任して以降、石破茂首相の嘘が酷過ぎる。』という"3点セット"が、想像していた以上に国民の反発を招いていたんだなあ。」という事。
又、与党に関しては「逆風が吹き捲っていても、組織が堅い自民党候補は、何とか勝てた。」、「公明党の組織力が落ちている事は近年指摘されていたが、想像以上に落ちているなあ(石井啓一代表の落選は、其の象徴と言って良い。熱烈な信者として有名な"彼女"は、嘸や憔悴し切っている事だろう。)」と。
一方、野党に関しては「立憲民主党と国民民主党、そしてれいわ新選組が大きく躍進したが、日本維新の会は議席を減らしそうだな。」と。日本維新の会は次々と問題が起きていたので「納得。」という感じだが、国民民主党の大躍進は意外だった。
兎にも角にも、「今回の野党の大勝は、偏に"与党(特に自民党)の敵失"による物で在り、決して"野党の実力"によってでは無い。」事は確かだろう。なので、野党が今回の選挙結果に浮かれて、きちんと仕事をしなければ、あっと言う間に国民から見放されるのは必定。
「与党の議席数が、過半数に"少しだけ"及ばない程度。」ならば、自民党は"十八番の手法"で在る「無所属議員の自民党事後公認。」で過半数維持を試みるだろう。「結構及ばない状況でも、『政権に入りたくて仕方無く、自民党に秋波を送り続けていた野党の政党を抱き込む。」に違い無い。其の場合、自分が"自民党の補完勢力"と考えている日本維新の会及び国民民主党が、抱き込まれる筆頭格に成る(特に、大躍進で党首が浮かれ捲っている国民民主党が危ない気がしている。)。
但し、少なくとも今回の選挙では自民党に強い拒否反応を示した国民が少なく無いのだから、どういう"言い訳"をした所で、無所属議員や野党の政党が自民党にホイホイ付き従う事に成れば、彼等も国民から外方を向かれる事に成ると思う。そう成ったら、彼等は次回の選挙で大苦戦する事を覚悟した方が良い。
くどい様だが、「今回の野党の大勝は、与党の敵失による物で在り、野党の実力が国民に評価された訳では無い。」のだ。野党第一党の立憲民主党は特に其の事を肝に銘じて、「所属議員の引き締め(小泉チルドレン等の様な"いかれぽんち"が出ない様、徹底的に引き締める事。)」と「具体的に政策実現を行う。」、「盤石な組織とするべく、"若い芽"の育成と選挙に強い体制作り。」を、長期的なヴィジョンを持ち、そして本腰を入れて取り組む事。「少しでも怠れば、嘗ての民主党の二の舞を踏む事に成る。」と断言する。