「子供の頃から刑事ドラマが大好きで、多くの刑事ドラマを見て来たが、断トツで好きなのが『Gメン’75』【動画】。」という自分。今月、「"刑事ドラマ"に使われた歌ベスト10」という記事を書いたが、使用曲としてはベスト10に入れなかった刑事ドラマだけれど、「『踊る大捜査線』シリーズ」【動画】も大好きな作品の1つ。連続ドラマとして1997年から放送開始となったが、スピンオフ作品を含めて、全作品見て来ている。
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警察を早期退職した室井慎次(柳葉敏郎氏)は、事件の影響を受けた子供達を里親として引き取り、秋田県に移り住んでいた。周囲から冷たい言葉を掛けられるも、彼は子供達を守り乍ら、ひっそりと暮らしていた。然し、特殊詐欺と強盗事件の犯人の遺体が山奥から発見され、村は混乱に陥る。
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「『踊る大捜査線』シリーズ」の見所の1つは、「『警察庁にキャリアとして入庁した室井慎次。』と『所轄の湾岸警察署刑事課の刑事・青島俊作(織田裕二氏)。』という、余りに境遇が異なる2人が、最初は反発し合い乍らも、次第に信頼し合って行く姿。」だ。
今回観た映画「室井慎次 敗れざる者」は、映画版としては第7弾に当たり、主人公は室井慎次。彼は「警察を早期退職し、故郷の秋田県に移り住んでいる。」という設定になっており、連続ドラマ開始から27年という長い月日が経っている事を痛感させられる。
過去の映像が幾つも挟み込まれていて、ファンとしては堪らなく懐かしかった。"今の姿"を思うと「皆、凄く若いなあ。」と感じたし、和久平八郎役の故・いかりや長介氏が登場した際には、涙腺が緩んでしまった。
過去の作品に登場したキャラクターも登場してはいたけれど、"初期メンバー"は(過去映像以外の形で)登場していなかったのが非常に残念で、特に青島俊作は登場して欲しかった。
「きりたんぽ鍋を一緒に食べ様。」という台詞等、"過去の設定"が上手く生かされているし、(初期メンバーでは無い)懐かしのキャラクターが"意外な形"で登場する等、ファンには堪らない"サーヴィス"が。(連続ドラマ時等で使用されていたOP曲【曲】が使用されていなかったのは、非常に残念。)
「『キャリアとノンキャリア』や『本庁と所轄』という"対立"を無くし、一体となって捜査を行う。」という目標を達成し様と、互いに約束した青島と室井。だが、「"現場"に肩入れし過ぎ。」と上層部から疎まれた室井は、組織で居場所を失い、「室井さんは偉くなって、警察組織を変えてくれ。」という青島との約束を果たせない儘、警察を早期退職。一方の青島も、どうやら"閑職"に追い遣られている様で、「理想と現実の間で潰されてしまった様な2人。」を思うと、居た堪れない思いになってしまった。
透明感の在る佇まいが好きな俳優・松下洸平氏が、良い味を出している。来月には続編「室井慎次 生き続ける者」が公開となるが、彼がどういう形で室井と行動して行くのかが楽しみだし、理想と現実の間で潰されてしまった室井が、続編で立ち直る事が出来るのかも気に成る所。
総合評価は、星3.5個とする。