ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「楽園の真下」

2020年09月28日 | 書籍関連

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日本で一番天国に近い島といわれる「志手島」は、本土からは船で19時間、海豚の泳ぐコーラル・ブルーの海に囲まれ、亜熱帯の緑深い森に包まれている。

そんな楽園で、ギネス級かも知れない17cmの巨大蟷螂が発見された。「びっくりな動物図鑑」を執筆中だったフリーライターの藤間達海(とうま たつみ)は、取材の現地を訪れるが、 志手島には楽園とは別の姿が在った。2年間で12人が、自殺と思しき水死体で発見されており、ネットでは「自殺の新名所」と話題になって「死出島」と呼ばれていたのだ。

嘗て妻を自殺で失った藤間は、何故人間は自ら命を絶とうとするのかを考え続けており、志手島には其の取材も兼ねて赴いていた。軈て島で取材を続ける藤間の身の回りでも不審死が・・・。
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直木賞作家荻原浩氏の小説楽園の真下」は、「“日本で一番天国に近い島”と言われる志手島で、超巨大な蟷螂が次々に人を襲う。」というストーリー。其の巨大さは尋常で無く、中には1を越える物も存在するというのだから、虫が苦手な自分からするとぞっとする設定だ。

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古代の虫の体が巨大だったのは、酸素濃度がいまの地球上より高かったからだそうだ。人間や他の脊椎動物呼吸器であるのに対し、昆虫は気管と呼ばれるチューブ状の器官で呼吸している。このシステムは肺に比べると酸素を取り込む効率が悪く、器官が体に占める割合も大きい。だから酸素濃度の高い時代には機能しても、いまの酸素濃度では活動できない‐。

これがカワシンジュガイ幼生グロキジウムグロキジウムはサケマスの中に寄生して暮らす。なぜか寄生された魚は寿命が延びるんだ。病気に対する抵抗力が強まり、傷の治り方も早くなる。
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巨大蟷螂が人間を襲うシーンは、アルフレッド・ヒッチコック監督の名作「」を思い起こさせる。又、最も興味深かったのは寄生生物に関する記述。「寄生生物が、“宿主”に与える影響。」等、知らない事が多くて、非常に勉強になった。

「生物が関係するパニック作品では、良く在る形の結末。」だったのは少々がっかりしたが、ストーリーとしては面白い。総合評価は、星3.5個とする。


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