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1941年12月7日、大日本帝国海軍による奇襲とも言える真珠湾攻撃。戦争の早期終結を狙う山本五十六連合艦隊司令長官(豊川悦司氏)の命により、山口多聞(浅野忠信氏)や南雲忠一(國村隼氏)が、アメリカ海軍の太平洋艦隊と基地に攻撃を仕掛けたのだ。大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たなアメリカ太平洋艦隊司令長官に、兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツ(ウディ・ハレルソン氏)を立てた。両国の一歩も引かない攻防が始まる中、日本本土の爆撃に成功したアメリカ軍の脅威に焦る日本軍は、大戦力を投入した次なる戦いを計画する。
一方、真珠湾の反省から、日本軍の暗号解読等の情報戦に注力したアメリカ軍は、情報部のエドウィン・レイトン少佐(パトリック・ウィルソン氏)が、其の目的地をミッドウェイ島付近と分析、限られた全戦力を集中した逆襲に勝負を賭ける。そして、遂にアメリカ軍のカリスマ・パイロット、ディック・ベスト(エド・スクライン氏)率いる上空から攻撃をする戦闘機の空中戦と、山口艦長や南雲艦長率いる海上からの戦艦の砲撃の壮絶な激突へのカウントダウンが始まる。
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ミッドウェイ海戦を題材にした戦争映画「ミッドウェイ」を観て来た。1941年12月7日の真珠湾攻撃に始まり、日本の運命が大きく変わったミッドウェイ海戦(1942年6月5日~7日)の3日間を描いている此の作品は、昨年アメリカで公開された。「真珠湾攻撃から、丁度〇〇年目。」とか、「ミッドウェイ開戦から、丁度〇〇年目。」という区切りの年に公開されたという訳では無い。「じゃあ何故、此のタイミングで作られたのだろうか?」というのが、観終えた段階で思った事だった。
良かった点を記すならば、戦闘シーンに尽きる。戦闘機による戦艦への爆撃シーンと言えば、「遥か上空から爆弾を落とす。」というイメージが在ったのだけれど、「上空から一気に急降下し、甲板に急接近した所で爆弾を落とし、そして急上昇する。」という迫力在るシーンが、CGで見事に再現されている。迫力満点という感じ。
でも、全体を通して言えば、悪かった点が目立つ。爆撃シーン以外は目新しい発見が全く無かった事も在るが、一番悪かったのは配役。アメリカ軍側の俳優はそう悪く無かったが、日本軍側の俳優が駄目。ファンの方には申し訳無いけれど、「“大作”にしては安っぽさを感じてしまった。」し、豊川氏、浅野氏、そして國村氏以外の“日本人役”が、顔付きや喋り方が日本人には思えない。調べてみたら日系の俳優達で、外国人の目からすると違和感は無いのかも知れないけれど、日本人の目からすると「日本人という設定だと、違和感在るよなあ。」と感じてしまう。日本でも公開される事を考えれば、少なくとも喋り方はもっと何とかして欲しかったし、演技力にも疑問を感じるレヴェルだったのが非常に残念。「そんな残念さが一杯の作品を何故、区切りの年でも無いのに作ったのか?」と思ってしまったのだ。
高く評価している人も多い様だが、個人的にはがっかりさせられた。総合評価は星2つ。