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「鎌倉の土からプラスチック分解菌、『ニシカマエンシス』と名付ける・・・小学校の花壇で発見」(12月8日、読売新聞)
プラスチックゴミ問題を解決する糸口と成るか。慶応大の研究グループが、ストロー等の原料となるポリプロピレン(PP)を分解する菌を発見した。添加剤「PーLife(ピーライフ)」を配合したPPを、神奈川県鎌倉市立小学校の土に埋めて実験した。菌は「西鎌倉の土から取れた。」を意味する「ニシカマエンシス」(仮称)と名付けられ、福岡市で11月28日に開催された日本分子生物学会で発表された。
「ピーライフは植物由来の添加剤で、難分解性プラスチックに配合されると微生物が分解し易く成る。」事は判っていたが、分解菌は見付かっていなかった。
西鎌倉小で2022年秋、6年生が給食で使うPP製ストローをピーライフを添加した物に変更。女子児童の問題提起が切っ掛けと成った「地球にストロープロジェクト」が始まった。
使用済みのストローは熱処理後に粉末状にされ、校庭の花壇の土に埋められた。其れ等を慶応大理工学部の宮本憲二教授(生物機能化学)の研究グループが分析した所、複数の分解菌が発見された。
改めて発見した菌でストローを分解させた所、2週間で7%程度の重量減少が見られ、宮本教授は「短期間で此れ程分解出来たのは、非常に画期的な事。」と説明する。県内外の土を集めた実験でも、何の土でも「ニシカマエンシス」が増えていたと言う。
今後、分解メカニズムを解析し、PP以外のプラスチックへの応用等も検討する。分解菌がゲノム解析等で新種と判明すれば、「ニシカマエンシス」として国際機関から正式に認められる可能性も在ると言う。
11月25日の発表記者会見に立ち会った松尾崇市長は、「地域や関係者にとって、夢や希望の在る話。正式に決まってくれると嬉しい。」と話した。
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10年前の「マイクロビーズ」等、プラスチックによる環境汚染に付いて、当ブログでは過去に何度か取り上げて来た。人類の生活を豊かにした事は事実だが、「プラスチックの"負の面"を、どう改善して行くか?」が大きな課題だった訳だけれど、今回のプラスチック分解菌「ニシカマエンシス」の発見が、課題解決の糸口に成ってくれれば、非常に喜ばしい事だ。
「ピーライフは植物由来の添加剤で、難分解性プラスチックに配合されると微生物が分解し易く成る。」との事で、ピーライフ自体は問題無いと思うが、分解された結果自体は、全く問題無いのだろうか?微生物によっての分解という事なので、まあ問題は無さそうだけれど。
他のプラスチック素材への応用やコスト面等、今後、色々調査&検討する事が在るだろうけれど、興味深い話では在る。