レギュラー・シーズンから一貫して、「ジャイアンツの前に立ち塞がる最大の敵はドラゴンズ。」と思っている。だからこそセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)*1、ファイナル・ステージでジャイアンツがドラゴンズと闘う事が決まった際には、「ジャイアンツが勝ち抜く場合は、(アドヴァンテージの1勝を含めて)4勝3敗。ドラゴンズが勝ち抜く場合は、4勝2敗になるのではないか。」と、ジャイアンツにとって非常に厳しい状況を予想。
初戦は「1対3」とジャイアンツが負けたのだが、其の負け方の余りの悪さに、「第2戦もジャイアンツが負ける事になれば、ファイナル・ステージを勝ち抜くのはドラゴンズと腹を括らざるを得ない。」と嫌な予感が。
そして其の第2戦をジャイアンツが案の定落とした事で、「原監督の宿痾」を嘆きつつ、「此れでドラゴンズの勝ち抜き、其れも『4勝2敗』では無く、『4勝1敗』(実質的には、ジャイアンツが1つも勝てなかった展開。)の可能性が出て来た。」と、ジャイアンツの“終戦”を確信したのだった。
だから第3戦もジャイアンツが負け、王手を掛けられた時にも、最早“怒りの記事”を書く気力も無かった。第4戦&第5戦とジャイアンツが連勝し、逆大手を掛けた時も、「ドラゴンズは投手陣が盤石で、ジャイアンツの投手陣の様に2アウトからの失点も少ない。1点を確実に奪う打撃が出来ているドラゴンズに対し、ジャイアンツは攻めの詰めが甘い。最終の第6戦では、ドラゴンズの圧勝に終わるだろう。」と、ジャイアンツには全く期待していなかったのだが・・・。
「驚き桃の木山椒の木」とは正に此の事で、第6戦は「4対2」でジャイアンツが勝利し、日本シリーズへの進出を確定。真剣にジャイアンツの敗戦を覚悟していたので、嬉しい誤算と言える。「散々批判をしては、結果を残した事で謝罪する。」というのが、自分の原監督に対するスタンスだが、今回も又、己が不明を恥じなければいけない様だ。
原監督、ごめんなさい!!そしてジャイアンツ首脳陣&選手達、日本シリーズ進出確定おめでとう!!
終わってみれば、第4戦で先発し、気迫の籠ったピッチングでチームに勝利を手繰り寄せた澤村拓一投手が、ファイナル・ステージの展開をガラリと変えたと思う。そして一昨日の第5戦、サヨナラゲームの立役者・石井義人選手が、チームに勢いを付けた。派手さは無いけれど、寺内崇幸選手や福田聡志投手、スコット・マシソン投手等の頑張りも大きい。「主役よりも、脇役が頑張ったファイナル・ステージ。」という感じがする。
闘ったドラゴンズの粘り強さは、「恐怖」以外の何物でも無かった。投打共に「此の場面で自分は、何をすべきなのか。」を確りと認識し、最後の最後迄諦めない。18年前のリヴェンジという思いも在るのだろうが、高木守道監督の勝利に対する熱さもひしひしと伝わって来た。紙一重の差で、何とかジャイアンツが勝ち抜けたという感じ。来季のドラゴンズには、今季以上の用心をしないといけないだろう。本当に凄いチームだ。
日本シリーズに進出する事になったジャイアンツだが、不安点は幾つか在る。「投」で言えば「シーズン終盤から調子を落としている杉内俊哉投手が、日本シリーズでは復調を見せられるか?」というのと、「『此処一番で勝てない、非常に勝負弱い投手。』という不名誉な称号を、再び贈られそうな内海哲也投手の状態。」。「打」で言えば「ファイナル・ステージでは絶不調だった阿部慎之助選手。」と、「小笠原道大選手が蘇られるか?」という点。対戦相手のファイターズは投打のバランスが取れたチーム故、ジャイアンツの不調選手には、1人でも多く復調して欲しい。
何はともあれ、3年振りに日本シリーズに進出する事になったジャイアンツには、悔いの残らない闘いを期待したい。
*1 ファイナル・ステージをジャイアンツが勝ち抜けなかったなら、単なる「負け犬の遠吠え」になってしまうので書くのを控えようと思っていたが、CSという制度は止めた方が良いと思う。過去に何度か書いている様に、CSにメリットが在るのは認めているけれど、「レギュラー・シーズンという長丁場を闘い抜き、そして優勝を掴み取ったチームが日本シリーズに進出出来ない可能性が在る。」というのは、結果として「日本シリーズの価値」を減じてしまう気がするので。(仮にジャイアンツが2位か3位でシーズンを終え、CSで勝ち抜いて日本シリーズに進出したとしても、個人的には違和感一杯で、とても心から喜べないだろう。)「3位迄のチームが、日本シリーズに進出出来る可能性が在る。」となると、「貯金どころか、借金を抱えたチーム同士が、日本シリーズで闘う。」なんてケースも在り得なく無いし。
今回は脇役が頑張りましたね。寺内、古城、石井、マシソン、山口、澤村など。ファイナルステージのMVP,私はマシソンかな、と思ってました。