ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

呪われた心臓

2008年04月30日 | 時事ネタ関連
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ブラック・ジャックの手で白斑症の手術を受けた少女。手術は成功して視力が回復するも、彼女の目に見知らぬ男の姿がしばしば見える様になる。目の前に実在しない男の姿、それは彼女が提供を受けた角膜に原因が在った。角膜の元の持ち主だった女性は殺害されており、彼女の角膜には殺害者の男の姿が焼き付いていたのだった。
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大好きな漫画「ブラック・ジャック」。印象に残るストーリー枚挙に遑が無いが、冒頭に挙げた「春一番」もそんなストーリーの一つだ。科学的な裏付けは無いそうだが、「臓器移植によって、提供者(ドナー)の記憶の一部が受給者(レシピエント)に移る。」とする考え方を「記憶転移」と言う。「春一番」も記憶転移をテーマにしたストーリー。

週刊新潮(4月24日号)」に「自殺者『心臓』を移植された男が『拳銃自殺』の怪」という記事が。アメリカジョージア州で4月11日、ソニー・グラハム氏(69歳)という男性が自宅裏庭の倉庫で喉を拳銃で打ち抜いた姿で発見された。当初は単なる拳銃自殺と報じられたのだが、その後になって或る噂が広がったという。それは、重度の心臓病だった彼が12年前に心臓の移植手術を受けていたのだが、ドナーのテリー・コッター氏(当時33歳)も別荘で同じ様に拳銃自殺を図っており、「心臓の記憶転移が、彼を死に追い遣ったのではないか?」というもの。28歳年下の妻との間には2人の子供も授かり、6人の孫に囲まれて暮らす等、グラハム氏に自殺する動機が全く見当たらなかった事が、この噂により真実味を持たせた。

自殺願望の“呪われた心臓”が彼を殺したのか?記憶や性格は、脳が決定する。心臓が記憶を持つ事は在り得ない。単なる偶然でしょう。という脳外科医の言葉が元記事に紹介されている様に、この噂は医学的に一笑に付される類いの物だったが、事件はその後に意外な展開を見せる事に。当初は自殺で処理しようとした地元警察が、「100%自殺とは言い切れない。」とコメントを出したからだ。

実はグラハム氏の妻はドナーだったコッター氏の元妻で在り*1、尚且つ5度の結婚歴が在った事が判明。挙句に彼女は、行方を晦ましてしまったという。コッター氏及びグラハム氏の死に、彼女の関与が疑われた訳だ。オカルト的なニュースも、良く良く調べてみたら・・・という事になるのだろうか。

*1 日本では患者とドナー家族の接触は禁じられているが、アメリカでは相手の了解さえ在れば可能なのだそうだ。

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4 コメント

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Unknown (tak)
2008-04-30 01:38:37
「事実は小説よりも奇なり」ですが、この場合は何だか「三文サスペンス」の結末のようですね。それにしてもこの元妻は怖い。。。

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>tak様 (giants-55)
2008-04-30 02:28:13
書き込み有難う御座いました。

未だ捜査中という事ですから迂闊には物が言えませんが、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という結末になりそうな予感が在りますね。
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そんな世界も?! (bagabon)
2008-04-30 02:50:40
冷静に普通に考えるとそんな事はないだろうと思うのですが 、関連した現象をつなぎ合わせると話がつながり、つじつまが合うようにみえる。もしかしたらという不思議な部分に引込まれる。
推理サスペンスからは程遠いながらごく単純化した同じような発想の落語の噺があります。
読む上方落語:世紀末亭より
【犬の目】
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakugo92.htm
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似たような話を (れんたろう)
2008-05-01 11:15:38
昔、テレビの「アンビリバボー」か「特命リサーチ」でやつてたのを見た記憶があります。年配の男性が、臓器移植手術を受けた後から、それまでは騒音だと嫌っていた、ハードロック系の音楽を好んで聞くようになったケースを紹介していました。

男性のドナーは、ハード・ロックを演奏するバンドのギタリストで、移植手術によって、ドナーの趣味や嗜好までもが移植されたのか?

真相はやはり、男性がドナーの家族から、ドナーがギタリストであることを知らされ、「命の恩人」のことをもっと知りたいと、彼が好んで聞いていた音楽に耳を傾けるようになった、ということでした。これなら「いい話」ですけどね。
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