「依頼者見舞金制度」という物は在るものの

１１年前、「夫婦漫才のコンビでは、一番好きだった」という記事を書いた。夫婦（めおと）漫才で好きなコンビは何組か存在したが、自分が一番好きなのは“どつき漫才”で一世を風靡した正司敏江・玲児だった【動画】。元夫の正司玲児氏は１１年前に７１歳で亡くなった。そして、「元妻の正司敏江さんが１８日、脳梗塞にて８０歳で亡くなっていた。」事が、昨日明らかに。本当に大好きなコンビだったので、寂しい限りだ。合掌。

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「高校生の財産８３０万円、後見人の弁護士が横領『遊興費に使った。』」（９月１９日、読売新聞）

「未成年後見人の立場を悪用し、管理していた男子高校生の財産計８３０万円を横領したとして、大阪府警天満署は１７日、大阪弁護士会所属の弁護士・古賀大樹容疑者（４２歳）（大阪市中央区）を業務上横領　容疑で逮捕した。」と発表した。「遊興費に使った。」と、容疑を認めていると言う。

発表では、古賀容疑者は２０１９年３月～２０２０年３月、管理していた高校生名義の口座から計８３０万円を横領した疑い。後見人に選任していた家裁の調査で発覚し、今年３月に同署に告発していた。

又、大阪弁護士会は１７日、「成年、未成年後見人を務めた４人の口座から計約７，８００万円を無断で引き出した等として、古賀容疑者に付いて、懲戒請求を行っていた事。」を明らかにした。
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去年１０月の記事「法の雨」の中で、「成年後見制度」に関する問題点を記した。詳しくは当該記事を読んで戴きたいが、大学時代に法律を専攻していた自分でも初めて知る“事実”が少なからず在り、非常に勉強になったし、同時に「此の制度は、早急に改めなければならない点が在るな。」と痛感させられた。

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成年後見制度：人（自然人）の意思能力が低い状態が或る程度の期間続いている場合に、本人の判断を他の者が補う事によって、本人を法律的に支援する為の制度。

未成年後見人：日本の民法の制度の１つで、未成年者に対して親権を行う者が無い時、又は、親権を行う者が管理権（財産に関する権限）を有しない時に、法定代理人となる者の事。
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今回ニュースで取り上げられたのは「未成年後見人」で、成年では無く、未成年に対する後見人だ。「後見人となった親族が、被後見人に無断で、被後見人の金員を私的に流用した。」という話は昔から良く見聞する。そういう事態を避ける意味合いで「第三者で、社会的立場も在る弁護士等が、成年後見人や未成年後見人に選ばれる。」様になったのだけれど、残念乍らそういう人間でも、今回の様な悪事を働いてしまうのだ。

２０１７年１０月、日本弁護士連合会によって「依頼者見舞金制度」という物が設けられた。「弁護士（又は弁護士法人）が業務上預かり、保管していた依頼者の金員を横領する事件が発生した場合、其の被害を受けた依頼者の方に対し、所定の手続きを経て、日本弁護士連合会から見舞い金を支給する。」という制度。弁護士、又は弁護士法人が成年後見人や未成年後見人となり、被後見人の金員を横領した場合も、此の制度の対象に成り得るが、何でも彼んでも対象になるという訳では無く、以下の２つの条件を“共に”満たす場合だけとか。

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「依頼者見舞い制度が適用される条件」

①　弁護士の業務上の横領によって財産を失った依頼者の方（「依頼者に準じる方」を含む。）が支給対象。本人が亡くなっている場合、同居、又は生計を同じくしていた配偶者、子、祖父母、又は兄弟姉妹の方も含む。

②　２０１７年４月１日以降に横領が在り、其の被害金額が３０万円を超える事。又、見舞金の上限は５００万円迄。
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条件を２つとも満たしていても、見舞金の上限は５００万円迄で、今回の男子高校生が横領で被った８３０万円全てを、見舞金で支払われる訳では無い。勿論、容疑者で在る弁護士の資産から残りを取り上げる事も出来様が、「成年、未成年後見人を務めた４人の口座から計約７，８００万円を無断で引き出した。」という事なので、果たして叶うかどうか。

奸智の働く輩だと事件発覚前に、“身内”に資産を分け与え、被害者に金員が行かない様な小狡い事をするだろう。そういう場合、「身内への資産分け与えは、遡って認めない。」という風にすべきだ。「悪事は、割に合わない。」という事を、世の中に広く周知させる必要が在る。