社会人になって以降、学んだ事は多い。
子供の頃、亡き父親から「他者を納得させ、従わせたいなら、感覚的な話では無く、“納得させられる具体的な数字”を提示しなければ駄目。」と良く言われていたが、当時は今一つピンと来なかった。でも、社会人になって交渉事に屡々立ち会う事で、「“納得させられる具体的な数字”を提示する事が、如何に他者を納得させられるか。」を痛感させられる事に。
「女性の嫉妬は怖いって言うだろ?でもな、俺は男の嫉妬の方が、女性よりも遥かに怖いと思う。人事を巡る男の嫉妬何て、本当に陰湿だから。」というのは、20代前半の頃に上司から言われた言葉。勿論、全部が全部と言う訳では無いが、実際に人事や色恋沙汰を巡る嫉妬を数多く見て来た経験からすると、概して男の方が嫉妬深い気がする。
「此の人が居なくなったら、組織は破綻するだろうな。」と思っていた切れ者が、実際に居なくなった事が何度か在る。中には、唐突に会社を辞めてしまった人も。でも、居なくなって少しの間、組織がガタガタする事は在っても、時間を置かずに組織は、何事も無かったかの様に動く物。「組織には再生機能が在り、誰が抜け様が、代わりの人間が穴埋めしてしまう。」というのも、社会人になって以降、思い知らされた事で在る。
長きに亘り、戦力的な面だけでは無く、精神的な面でもジャイアンツの支柱で在り続けた阿部慎之助選手。今季、開幕からずっと彼の姿は、一軍ベンチには無い。開幕から2ヶ月が過ぎ様としているが、二軍生活が続いている。其れでも一軍という組織は普通に回り、セ・リーグでは首位争いをしている。首位争いをしている事は、ファンとして嬉しい反面、阿部選手が居なくてもチームがそんな状態に在る事には、寂しい思いがしたりもする。「重要な選手が欠けても、破綻しない様なチーム作りが出来ている。」という事なのだろうけれど・・・。
管理人さんが、当記事の冒頭にある、数字の答え、というのと、すでに巨人キャプテンではなくなった阿部選手の存在義委との間に、矛盾を感じずにはおれませんが、阿部選手は、その存在感を示すようになったのは、プレーでのリーダーシップがあったからで、スポーツチームと、年功序列とは、相いれない実力主義にあると思います。
むしろ、スポーツチームの組織体質としての柔軟性とは、会社組織、ホワイトカラーにこそ重視されるべきと思います。個人商店のように、ある商品を精巧に作り続ければ、客が来る、という商売は、労働者の中に待遇と技量の格差を生むもので、対する、多角経営や営業への出向など、フットワークの気軽さと、そうした、極上の技術者は、異なるものと思うからです。
会社組織でも、経営陣直属の特命チームなど、組織全体の問題点や、繁忙な部署、地域の事業所などへの、重点的なシフトによって、社内の課題の軽減と、問題点の発見、そして、敵性への攻撃という意味で、大組織ほど、フットワークの軽さを売りにしたチームは重宝されるのではないでしょうか。
そんな中で、個の存在だけで、チームを象徴する武威のカリスマとしての、実質的なキャプテンが離脱する事は、チームがいつか対面せねばならない課題でもある、と思います。プロの選手は、シーズン毎に仕事が評価され、シフトの入れ替えはシビアで、常に浮沈を覚悟していると思いますが、巨人の復権の歴史と一体化した、氏の功績は褪せる事は無い、と思います。
「他者を納得させ、従わせたいなら、感覚的な話では無く、“納得させられる具体的な数字”を提示しなければ駄目。」という事で言えば、一昨年及び昨年の阿部選手の成績は“納得させられる具体的な数字”を残せてはいないし、そういう意味ではジャイアンツのキャプテンとして大不満。隆様の「矛盾が在る。」という御指摘も、其の通りだと思います。
でも、其れはそうなのですが、感情的にはどうしても寂しい思いが。此れは王貞治選手の晩年にも、同じ事を感じました。
近日中に“代打”として一軍復帰するのでは・・・という話が在る阿部選手。でも、個人的な願望で言えば、此処迄復帰が遅れた以上は、代打とは言わず、レギュラーを取り返せる程に万全な体調となってからの復帰として欲しい。引退するには未だ早いと思うし、もう一花咲かせて欲しい。
そこそこの規模を持つ組織はそうでしょうね。
健全な組織である条件であり証明でもあると思います。
しかし、本当に小さな組織や脆弱な組織ではそうもいきません。
有能な構成員が抜けたことで、一気に信用を失い壊滅することもあると思います。
主に中小零細企業を転職してきたので、そういう事例も見聞きしています。
小さな組織や脆弱な組織の場合、有能な人材を失った際の再生力は、確かに厳しい面が在るかもしれませんね。
話は少し逸れてしまうのですが、日本って中小企業下支えが在ったらばこそ、焼け野原からの復興を為し得たと思うし、今後も重要な存在だと思うのです。なのに、政府が見ているのは大企業許り。目先の事だけでは無く、職人的な素晴らしい技が国外へ流出する事が、如何に日本の未来にダメージを与えるかを、政府にはきちんと理解して貰いたいです。