より悪質なペテン師

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「首相、獣医学部新設『今治市だけに限定しない。』」（６月２４日、読売新聞）

 

安倍首相は２４日の神戸市での講演で、学校法人「加計学園」の愛媛県今治市での獣医学部新設計画に関し、「今治市だけに限定する必要は無く、速やかに全国展開を目指したい。意欲の在る所には、どんどん獣医師学部の新設を認めて行く。」と述べた。

 

加計学園を巡っては、獣医学部新設が国家戦略特区で今治市に限定された事で、野党が「加計学園に利益誘導した。」と批判している。首相は「獣医師会の強い要望を踏まえ、先ずは１校だけに限定したが、こうした中途半端な妥協が、国民的な疑念を招く一因となった。」と釈明した。

 

首相は、文部科学省の文書の有無に付いて、政府の説明が二転三転した事を改めて陳謝し、「驕りや緩みが在れば、国民の信頼は一瞬で失われる。今後も担当大臣を筆頭に、積極的に情報公開し、説明責任を全うする。」と強調した。一方、特区の新規適用を停止する法案を提出した民進党に付いては「抵抗勢力の側に回ったとすれば、本当に残念だ。」と批判した。

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自身が“イメージ操作”や“野次飛ばし”を好んで多用しているのに、他者には「イメージ操作は止めて下さい！」とか「野次を飛ばさないで下さい！」と主張する安倍首相。首相で在る以前に、真面な大人とは思えない、丸で子供の様なメンタリティーの持ち主。

 

先日、国会閉会を受けて行った記者会見では、支持率の大幅低下に付いて“反省らしき言葉”を口にはしていたが、「政策とは関係の無い“印象操作”の様な議論に、つい強い口調で反論した。」と態々言った所に、彼の幼稚さが垣間見られた。要は「支持率が此れ以上下がらない様に、取り敢えず謝罪の言葉は口にするけれど、でも、野党の印象操作が悪いんで在って、僕ちゃんは全く悪く無いもーん！どうせ愚かな国民は、少ししたら全てを忘れる。」という考えなのだろう。「どんな状況になっても、自分の非は認めるもんか！僕ちゃんは、偉い首相なんだぞ！！」という思いが、彼の“心から謝れない姿勢”から受け取れる。

 

先月、野党からされた「改憲構想に関する質問」に対し、「読売新聞を読んで下さい。」と言い放った安倍首相。前代未聞の異常な答弁だったが、“安倍首相と読売新聞との近しい関係”を改めて感じさせる発言だった。事程左様に、「自身の“応援団”が居る場所ではペラペラ喋る癖に、“応援団”が居ない場所、即ち“アウェー”に乗り込んで喋る事が出来ない。」という狭量さが、安倍首相の特徴の１つ。今回神戸市で行われた講演も、後ろに映っていたパネルを見る限り、安倍首相の応援団の１つで在る産経新聞社が主催している様だし。

 

で、「獣医師会の強い要望を踏まえ、先ずは１校だけに限定したが、こうした中途半端な妥協が、国民的な疑念を招く一因となった。」と言い訳していた様だが、先ず「獣医学部を取り巻く環境に精通した専門家等の間からは、『獣医師の人数は、既に需要を満たしている。だからこそ、獣医学部をずっと新設する必要が無かったのだ。』といった声が多く出ている現実。」を無視し、御得意の“話の摩り替え”をしている。問題は「御友達が経営する学校に対し、無理無理に利益誘導しているとしか思えない。」事で在り、「加計学園だけ選ばれたのがいけないなら、もっと他の学校も選べば良い。」というのでは、単なる“目眩まし”で在り、其の為に莫大な血税が更に溝に捨てられる様ではいけない。

 

又、「抵抗勢力の側に回ったとすれば、本当に残念だ。」というのも、小泉純一郎元首相が十八番とした「仮想敵を意図的に作り、其れを叩く事で国民の不満のガス抜き及び国民からの支持増大を図る。」という手法の使い回し。

 

小泉元首相の事を自分は“稀代のペテン師”と捉えているが、安倍首相も同様。「小泉元首相はアゥエーでも平気で乗り込んで行き、正しいか正しくないかは別にして、自身の主張をきちんと出来た。」事を考えると、狭量な安倍首相は、“より悪質なペテン師”と言えるだろう。