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長身、眼鏡でミステリー・オタクのリーダー・小野寺葵(おのでら あおい)、謎の方言を操る元ヤンの占部美緒(うらべ みお)、黒髪JKコスで自称19歳の関礼菜(せき れいな)。そんな西荻窪で暮らす金欠アラサー3人組が、滞納する家賃を返すべく探偵に!?
鮮やかな推理を携え、下世話根性丸出しで、難事件に挑む。そう私達、遣れば出来る女なんです。
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東川篤哉氏の小説「ハッピーアワーは終わらない ~かがやき荘西荻探偵局~」は、荻窪で巨大な影響力を持つ富豪・法界院法子(ほうかいん のりこ)が西荻窪に所有する賃貸共同住宅「かがやき荘」に住む、金欠のアラサー女性3人が探偵役となり、謎を解くストーリー。と言っても、実際に謎を解くのは、ミステリー・オタクの小野寺葵なのだが。
此の作品は「かがやき荘西荻探偵局シリーズ」の第2弾となるが、第1弾は読んでいない。東川作品と言えば、“脱力系ユーモア本格ミステリー”として知られている。若かりし頃、赤川次郎氏の作品を好んで読んでいた自分からすると、東川作品に似た匂いを感じなくも無いが、“深み”という点では“浅さ”を感じたりする。同じユーモア作品でも、赤川作品の様な“毒”の部分が感じられないからだ。
4つの短編小説で構成されているが、全ての作品で「肝心なトリックに、意外性が余り感じられない。」という感想。又、「3人のアラサー女性のキャラクター設定が、ダダ滑りしている。」という感は否めない。
はっきり言って、読み進めるのが疲れる作品で、総合評価は星2.5個。