ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

オヤカク

2017年03月24日 | 其の他

昨日、移動中の車内でTBSラジオの「荒川強啓 デイ・キャッチ!」という番組を聞いていた所、面白い話をしていた。2つ在るのだが、「デイキャッチャーズ ボイス」というコーナーでコラムニスト山田五郎氏が取り上げていた話【音声】を、今日は紹介したい。

 

山田氏が先週のWeb産経新聞を見ていた所、「“オヤカク”OK企業ランキング」という記事が載っていたそうだ。「オヤカクって何の事だ?」と思った山田氏が内容を読んでみると、『オヤカク』は漢字で『親確』と記し、『親の意思確認』の略語。という事が判明就活者に内定を出した後、『親が反対したから。』という理由で内定辞退をする者が少なく無い、内定を出す企業側が、学生の親にも連絡を入れて入社の確認を取る。事を意味するのだとか。「“オヤカク”OK企業ランキング」とは「親が入社を認めてくれ易い企業のランキング」で、上位には一流企業の名前がズラッと並んでいる。

 

「子供に関する事で、矢鱈学校口出しする。」なんていうのは、今や驚く話では無くなった。「子供の就職活動に付き添ったり、子供が会社に入って以降に『今日は休ませます。』だ『辞めさせます。』だとしゃしゃり出て来る親が増えている。」というのは、実感としても在ったけれど、「内定を出す際、企業側がオヤカクをしなければならない。」というのは、世も末という感じがする。「就職先を決める上で、人生の先輩で在る親にアドヴァイスを貰い、参考にするのは全くおかしな事では無いが、最終的に決めるのは本人。」という山田氏の言葉には、全く同感。

 

「“オヤカク”OK企業ランキング」なる物が発表される背景には、「オヤカクOKという事が、学生が企業を選ぶ一要素に成り得ているから。」と山田氏は分析した上で、此れは単なる親の過保護過干渉では済まされない、日本社会全体の構造的な病理の表れの様な気がする。と指摘。

 

大人達は良く、「今の子供達は駄目。」という捉え方をするけれど、山田氏に言わせると日本の社会は大人達が、寄って集って子供達を自立させない様にしている。のだと。そして、自立していないのは子供達だけでは無く、実は大人達自身も自立出来ない人が増えているのではないか。とも。

 

成人になっているのに、何でも彼んでも親の意思に従う子供。」というのは親離れが出来ていないのだけれど、同時に「成人になった子供の就職先干渉する親。」というのは子離れが出来ていない。子供への過干渉がどんどん酷くなっている原因は幾つか在ろうが、山田氏は仕事以外に趣味を見付け出せない大人が多く、結局、彼等は“子供”を仕事以外の唯一の趣味にしてしまっているのではないか。と。

 

『仕事よりも家族を大事にすべき。』という価値観が強調され過ぎる事で、子供を唯一の趣味にしてしまう風潮が強まり、今や『子供の』と言いさえすれば『何でもOK。』みたいな事になっている。昔は『仕事の為』と言えば『何でも許される。』みたいな所が在ったけれど、其れが『子供の為』に置き換わった感じで、自分が何かしたいかとか考えないで済む言い訳で在る点に於ては、同じ様な気がする。『子供の為』と言い乍ら、実際には『自分の為』、『自分が良い親で在るという事に安心したいだけ。』なのではないか。自分自身の反省を踏まえた上で、そんな気がする。とも語っていた山田氏。

 

色々と考えさせられるテーマだった。


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Unknown (悠々遊)
2017-03-24 23:55:58
この記事を読んで思い出したのは17歳の夏、SF大会に初参加のため初めて新幹線に乗り東京を目指した時のこと。
隣りに30歳手前ぐらいのやくざっぽいいかつい男性が座っていたので緊張していたところ、その男性から気さくに話しかけられ、徐々に会話を交わすことに。
東京へは何しに? と問われ、SFが趣味で大会に参加するためと答えたところ、「男は趣味と聞かれたら仕事と答えなくちゃ」と言われてしまいました(笑)。
その男性には東京駅から大会の会場までタクシーで送ってもらい、人は見た目で判断してはいけないことも学んだものです。
50年も前の懐かしい思い出ですが、今どきの親ならそんな年ごろの子供にも、「知らない人について行っちゃダメ」と言うんでしょうかね(苦笑)。
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>悠々遊様 (giants-55)
2017-03-25 02:36:02
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「初めて新幹線に乗り、東京を目指した時」という部分で、同じ状況が思い浮かびました。自分の場合は幼稚園の年長組の時で、名古屋駅で新幹線に乗り込む迄は両親が、そして東京駅で降りる際には祖母達がアテンドという、実質的には「新幹線内だけ一人」という状況でしたが、とても心細かった。でも、隣に座っていた人(今となっては男性だったのか女性だったのかすらも忘れてしまいましたが。)が色々気を使って話し掛けてくれたりしたので、何とか気持ちを落ち着けられた。

悠々遊様の場合、隣の方の風貌から、何れだけ緊張されたか、手に取る様に判ります。でも、本当に人って見掛けによらないんですよね。車を運転していて良く感じるのですが、見た目がきちっとした人が結構意地悪な運転をしたりする一方、見た目はヤ〇ザっぽいけど気安く道を譲ってくれたりと、優しい運転をする人が多かったりもする。

「男は趣味と聞かれたら、仕事と答えなくちゃ。」というのは、時代を感じさせる言葉ですね。子供だった頃、亡き父が良く「女子供が、会社に電話して来る物じゃ無い。仕事場は、そういう場所じゃ無いから。余程急を要する場合なら別だが。」と言っていましたが、此の表現も今じゃあ問題になりそう。
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