昨日行われたWBCの準決勝「日本代表(侍ジャパン)vs.アメリカ代表」戦は、「1対2」でアメリカ代表の勝利に終わった。侍ジャパンの8年振りの世界一を期待していたので、「悔しいです!」【動画】という思いが無い訳では無い。
先発の菅野智之投手を始めとして、昨日の試合に登板した侍ジャパンの投手達は、良く頑張ったと思う。何しろ9回を投げて2失点なのだから、合格点を与えられる。
そうなると、僅か4安打の野手陣が問題という事になるのだが、アメリカ代表も6安打しか放てていないし、アメリカ代表の投手陣が上手く攻めていたと思うので、野手陣に敗戦の責任を負わせるのも気の毒に感じる。
総合的に見て、侍ジャパンがアメリカ代表に力負けしたという感じでは無く、大接戦の中、紙一重の差で侍ジャパンが負けてしまったという事だ。
「“守備の名手”で在る菊池涼介選手と松田宣浩選手がエラーをし、両方が失点に繋がってしまった。」というのは何とも皮肉だが、必死で守った中でのエラーは責められない。両者共に今回のエラーをずっと忘れられない事だろうが、ホームランで名誉挽回出来た菊池選手は未だしも、結果として敗戦に直結する失点をし、そして最後の打者となってしまった松田選手の“心の傷”が心配。
WBC開幕前に書いた記事「今回は一番苦しみそう」でも触れた様に、過去3回の大会に比べると、今回の侍ジャパンの陣容は投打共に層が薄く感じられ、「今回は一番苦しみそう。」と思っていた。「第1ラウンドで敗退する事は無いだろうけれど、第2ラウンドでは危ないかも。」とも思っていたので、準決勝に進出しただけでも「良く頑張ったなあ。」と、選手達を褒めて上げたい。本当に御疲れ様!!
今日、決勝「プエルトリコ代表vs.アメリカ代表」戦が行われる。プエルトリコ代表の方が有利な気はするが、「世界一になれないから、もうWBCは止めだ!」と思っていそうなMLBの事を考えると、「アメリカ代表の世界一がベターかな。」と。
WBCは未だ終わっていないが、侍ジャパンが敗退した事で、次回以降の改善ポイントを2つ記す。
1つは先日の記事「無傷でアメリカへ!」でも触れた様に、「日本での試合開始時間を早めるべき。」という事。今回は19時開始だったが、「試合が長引くと、終電に間に合わない観客が出る。」だろうから。
そして、もう1つの改善ポイントは、「リプレー検証(ヴィデオ判定)」だ。WBCの大会規定では、「準決勝以降は略全てのプレーがリプレー検証の対象となり、其の回数に制限は無い。」事になっている。3月20日行われた準決勝「プエルトリコ代表vs.オランダ代表」戦ではリプレー検証の要求が相次いだが、昨日の試合でも合計5回の要求がされた。何しろ要求回数が無制限なのだから、「どんどん要求しないと損。」みたいな所が在る。リプレー検証の度に試合が中断され、試合のテンポが悪くなり、興醒めさせられた。リプレー検証要求は無制限とせず、例えば「1試合に2回だけ。」という風にした方が良い。
最後に、我がジャイアンツから出場した3選手に付いて。「最初の登板は今一つに感じたが、昨日の試合では良く頑張った菅野投手。」と「打撃面でも、絶好調さを見せた坂本勇人選手。」は当然だが、申し訳無いけれど余り期待していなかった小林誠司の守備&打撃に関する大活躍には、心から拍手を送りたい。「昨季、リード面での進歩は認めるも、打撃面では全く駄目駄目だった彼。」には、「オフに“阿部教室”で扱かれ、大きく成長を遂げた。」とメディアで報道されても、「本当かなあ?『シーズンに入ったら、昨季と変わらなかった。』なんて事にならなければ良いけれど。」と疑いの目を向けていた。でも、今回の大会で、彼は一皮も二皮も剥けた様に思う。ジャイアンツにとっては、大きな成果だ。