漫画家のやなせたかし氏だったと思うが(水木しげる氏だったか?)、生前に「若くして売れた手塚治虫さんは、遮二無二なって作品を書き続けて来た事で、若くして亡くなった。一方、自分は売れたのが非常に遅かったから、そんなには身を酷使していない。だから、自分は100歳迄生きられると思う。」という趣旨の発言をされていた。100歳には届かなかったけれど、やなせ氏は「享年94」と長生きされた。(水木氏も「享年93」と、長命だった。)
確かに「漫画家=短命」というイメージが、自分の中には在る。去年、「『漫画家=短命』というイメージが在るので」という記事で、「ときわ荘」に居住されていた漫画家を調べてみた所、「手塚治虫氏(享年60)、寺田ヒロオ氏(享年61)、藤子・F・不二雄氏(享年62)、森安なおや氏(享年64)、石ノ森章太郎氏(享年60)、赤塚不二夫氏(享年72)。」と、若くして亡くなられた方が多かった。「命を削って、多くの作品を生み出して来た。」という感が在る。
昨夜、思いも寄らない訃報が飛び込んで来た。「ちびまる子ちゃん」等の作品を生み出して来た漫画家・さくらももこさんが、今月15日に乳癌の為、53歳で亡くなられていたと言う。
「ちびまる子ちゃん」では「姉・さくらさきこが、熱狂的な西城秀樹氏のファン。」という設定で、作品内では何度も“ヒデキ”が登場していた。実は昭和40年(1965年)生まれのさくらさん自身が、幼少期にヒデキの大ファンだったのだが、自身を投影した妹・さくらももこでは無く、姉が大ファンとしたのは、乙女心からだったのだろう。
大ファンのヒデキが今年の5月16日に亡くなった際、さくらさんは哀しみのコメントを出していた。今になってみると、彼女自身も病と闘っていた訳で、「『死』という物に対して、複雑な思いを抱えていたのだろうな。」という思いが。大好きなヒデキを追い駆ける様に、天国へと旅立って行ったさくらさん。
さくらさんと自分は同世代。幼少期を静岡県静岡市で過ごしたさくらさんに対し、自分は愛知県で過ごした。ど田舎とは言わない迄も、東京と比べると充分に田舎で幼少期を過ごしたというのも共通点で、だからこそ「ちびまる子ちゃん」で描かれる風景やエピソードは、何とも言えない懐かしさが在った。
「自分が子供の頃から見知っていた人達の訃報が、今年は多いなあ。」と感じる。又、星野仙一氏(享年70)に始まって、片平晋作氏(享年68)、有賀さつきさん(享年52)、大杉漣氏(享年66)、衣笠祥雄氏(享年71)、森田童子さん(享年65)、西城秀樹氏(享年63)、栗城史多氏(享年35)、ビッグバン・ベイダー氏(享年63)、生田悦子さん(享年71)、そして今回のさくらももこさん(享年53)と、平均寿命を考えると「こんなにも若くして亡くられるとは・・・。」という訃報が多い様にも。合掌。