高い水道代

水道代が高い。２ヶ月単位で請求が来るのだが、２ヶ月で約９千円。月平均に直すと、約４千５百円もする。以前、関西の友人が、水を使い過ぎたと思った時期でさえ、月辺り３千円位と言っていたのを聞いて驚いた事が有る。

「週刊朝日」（９月１０日号）で、「上下水道負担の安い市と高い市」の比較が載っていた。それに依ると、各々のベスト（ワースト）３は下記の様になる（＊１）。

　　　　　　　市　名　　　　円／月
（ベスト３）
　　１．　　　沼津市　　　２，７１０　
　　２．　　　大阪市　　　３，２３４
　　２．　　　川越市　　　３，２３４　　　
（ワースト３）
　　１．　　　郡山市　　　７，７２７
　　２．　　　長崎市　　　７，５６５
　　３．　　　八戸市　　　７，４３０

一番高い郡山市（福島県）は、一番安い沼津市（静岡県）の約２．９倍に当たり、年間では約６０，０００円も多く払っている事になる。

この違いは、ダムへの依存度の違いから来る部分が大きい。

沼津市の場合は、富士山からの湧き水が流れ、「名水」として知られる柿田川が水源の一つになっており、塩素殺菌する程度で水道水として使用可である為、多額の建設費がかかる浄水場が不要である事が、安さの理由なのだとか。

逆に、郡山市の場合は、手軽な水源が無く、ダムへの依存度が高い為、莫大なダム建設費用と、ダムから水を運ぶ費用等を負担しなければならない事が、高い理由の一つなのだとか。又、市域が広い割に、人口が少ない為、配管の効率が悪い事も高値に拍車をかけているのだとか。

ここには書かれていなかったが、ダムを作った後にも多額の費用が発生する。ダムに沈殿した土砂等を取り除く「浚渫（しゅんせつ）」にも、多額の費用が費やされる。一説には年間数億円とも言われており、これはダムが在り続ける限り、毎年発生する。ダムの建設費と共に、この浚渫費も利権の温床となっている。この費用も、当然ながら水道料金に上乗せされている訳だ。

又、地方公共団体がダム利用に伴い支払う額は、原則的に一定であり、例えば皆が節水に努めれば努める程、徴収料金が減ってしまう為、基本料金を上げざるを得ないという、実に理不尽な形になるのだ。

公共事業が利権の温床になっていると言われて久しいが、こういう所にも、一般庶民へツケを廻す流れが出来上がっている。

＊１　因みに、東京２３区は月辺り４，６３０円と、全国の平均レベルという事。