幼い頃、夢中になって見ていた仮面ライダー・シリーズ。成人して以降に「仮面ライダー」から「仮面ライダーV3」迄を通して見た時、思う事が幾つか在った。意外だったのは、子供向け番組で在りながら子供に迎合した製作スタイルでは無かったという事実。「愛の戦士レインボーマン」の様な世相風刺に溢れる内容では無いものの、「人間では無い異形の存在だからこそ抱える苦悩や葛藤」が描かれる等の奥深いテーマが根底には在ったし、”立花のおやっさん”*1が「ライダーも一敗地に塗れてしまったか・・・。」等ととても子供が理解出来ない様な小難しい言葉を結構使っていたりと、「相手が子供だからといって、何でもかんでも優しい作りをすれば良い訳では無い。」といった製作者側の固い信念や気負いの様な物が画面から伝わって来るのだ。
そして当時は何の疑問も覚えずに見聞していたシーンや台詞に、結構突っ込み所が少なくなかったという事実も新鮮だった。勿論、誰もその正体を知らない筈なのに、孤児院でクリスマス・パーティーをしているシーンで子供達が平然と「今だ 変身 北斗と南♪」」と思いっ切り歌い上げ、幼かった当時ですら「それじゃあ、完全に正体ばれてるやんけ!」と突っ込みを入れてしまった「ウルトラマンA」の様なケースも在るが、幼い頭では気付かなかった突込み所の多さが、ファンとしては又堪らない魅力なのだ。
今回手にした本「仮面ライダー大研究」は「仮面ライダー」全98話に、東映まんがまつりで上映された2本の劇場用新作映画を加えた全100話のストーリー&秘話、そして全怪人等の写真400枚がてんこ盛りとなった豪華な一冊。軽妙洒脱な文章で、サラッと突っ込み所を指摘しているのも良い。今回はこの本の中から、気になった点を紹介させて貰う。
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① 「怪人かまきり男」(第5話)
初期のショッカーの怪人といえば、タイツ姿とショッカー・ベルトというイメージが強いのだが、初期の怪人全てがこのショッカー・ベルトを付けていた訳ではないというのは意外だった。最初に登場する怪人は蜘蛛男だが本放送ではベルトを装着しておらず(装着していたイメージ在るのは、後に発表された写真等で装着させられていた為。)、最初に装着していたのは第2話の蝙蝠男からとの事。さそり男やサラセニアン、蜂女、トカゲロン等も装着していなかったというのは今回初めて知った。
タイツ姿にショッカーベルトというスタイルは、苦肉の策として生み出されたものだとか。キャラクターの製作予算が従来の3分の1程度しかなかった為、所謂”怪獣の着ぐるみ”を作る事が出来ず、タイツにパーツを直付けした略式の怪人姿に。逆転の発想でわざと人間のシルエットを強調し、更にデザイン的に寂しくなる腰廻りにベルトを配したという。
② 「怪異!蜂女」(第8話)
特撮物の舞台にしばしば使われていた場所というのは幾つか在るが、「とちの所有権を巡って裁判となり、物件を結審迄現状維持しなくてはならず、コンクリートの基礎工事終了後の状態で野晒しにされていた俗称『お化けマンション』」もそんな一つ。特撮物で初めて此処が登場したのが、この作品なのだそうだ。(厳密に言えば同時に撮影された第5話でそのエレベーター部分が落とし穴として使用されているが、全容がフィルムに映し出されたのはこの作品が初めて。)
子供心に「凄い場所だなあ。」と感じたインパクトの在るお化けマンションだが、1991年5月に取り壊され、今は「きつねくぼ緑地」になってしまったとか。(詳細はこちら。)
③ 「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」(第20話)
山奥でショッカーに拉致されたおやっさん達。その時、手にしたパイプを川べりに落とすおやっさん。底の豆球がピッピッと点滅するパイプを拾ったライダーが口にした台詞は、「発信装置だ!これを辿って行けば立花さんの行方が判る!」。「受信機では無く発信機の方が落ちているのに、何故居場所が判るのか?」と記事では突っ込みを入れているが、確かにその通りだ。
尚、こちらのサイトの対比写真が面白い。
そして当時は何の疑問も覚えずに見聞していたシーンや台詞に、結構突っ込み所が少なくなかったという事実も新鮮だった。勿論、誰もその正体を知らない筈なのに、孤児院でクリスマス・パーティーをしているシーンで子供達が平然と「今だ 変身 北斗と南♪」」と思いっ切り歌い上げ、幼かった当時ですら「それじゃあ、完全に正体ばれてるやんけ!」と突っ込みを入れてしまった「ウルトラマンA」の様なケースも在るが、幼い頭では気付かなかった突込み所の多さが、ファンとしては又堪らない魅力なのだ。
今回手にした本「仮面ライダー大研究」は「仮面ライダー」全98話に、東映まんがまつりで上映された2本の劇場用新作映画を加えた全100話のストーリー&秘話、そして全怪人等の写真400枚がてんこ盛りとなった豪華な一冊。軽妙洒脱な文章で、サラッと突っ込み所を指摘しているのも良い。今回はこの本の中から、気になった点を紹介させて貰う。
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① 「怪人かまきり男」(第5話)
初期のショッカーの怪人といえば、タイツ姿とショッカー・ベルトというイメージが強いのだが、初期の怪人全てがこのショッカー・ベルトを付けていた訳ではないというのは意外だった。最初に登場する怪人は蜘蛛男だが本放送ではベルトを装着しておらず(装着していたイメージ在るのは、後に発表された写真等で装着させられていた為。)、最初に装着していたのは第2話の蝙蝠男からとの事。さそり男やサラセニアン、蜂女、トカゲロン等も装着していなかったというのは今回初めて知った。
タイツ姿にショッカーベルトというスタイルは、苦肉の策として生み出されたものだとか。キャラクターの製作予算が従来の3分の1程度しかなかった為、所謂”怪獣の着ぐるみ”を作る事が出来ず、タイツにパーツを直付けした略式の怪人姿に。逆転の発想でわざと人間のシルエットを強調し、更にデザイン的に寂しくなる腰廻りにベルトを配したという。
② 「怪異!蜂女」(第8話)
特撮物の舞台にしばしば使われていた場所というのは幾つか在るが、「とちの所有権を巡って裁判となり、物件を結審迄現状維持しなくてはならず、コンクリートの基礎工事終了後の状態で野晒しにされていた俗称『お化けマンション』」もそんな一つ。特撮物で初めて此処が登場したのが、この作品なのだそうだ。(厳密に言えば同時に撮影された第5話でそのエレベーター部分が落とし穴として使用されているが、全容がフィルムに映し出されたのはこの作品が初めて。)
子供心に「凄い場所だなあ。」と感じたインパクトの在るお化けマンションだが、1991年5月に取り壊され、今は「きつねくぼ緑地」になってしまったとか。(詳細はこちら。)
③ 「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」(第20話)
山奥でショッカーに拉致されたおやっさん達。その時、手にしたパイプを川べりに落とすおやっさん。底の豆球がピッピッと点滅するパイプを拾ったライダーが口にした台詞は、「発信装置だ!これを辿って行けば立花さんの行方が判る!」。「受信機では無く発信機の方が落ちているのに、何故居場所が判るのか?」と記事では突っ込みを入れているが、確かにその通りだ。
尚、こちらのサイトの対比写真が面白い。