ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「キャロリング」

2015年02月18日 | 書籍関連

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大和俊介(やまと しゅんすけ)勤める小規模子供服メーカー「エンジェル・メーカー」は、経営不振、12月25日で“クリスマス倒産”する事となった。

 

エンジェル・メーカーは学童保育もしており、殆どの子供は別の所へと移っていったが、1人、小学校6年生の田所航平(たどころ こうへい)だけは、最後の日世話になる事になっていた。航平の両親は別居しており、航平はキャリア・ウーマンで在る母親の圭子(けいこ)と共に、年明けには海外に行く事が決まっていたのだ。両親に離婚して欲しくない航平は、何とかして両親を仲直りさせるべく、大和の同僚折原柊子(おりはら とうこ)と共に、父親の祐二(ゆうじ)居る横浜へと向かう。

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有川浩さんの小説キャロリング」。主人公の俊介は幼少期、両親から“酷い仕打ち”を受けて来た過去が在り、其れに“親”という存在に対して不信感を持ち、「子供で在る自分が居たから、いけなかったのだ。」という思いから、“子供”という存在に嫌悪感を持つ様になってしまった。

 

そんな彼が、「両親に離婚して欲しくない。」と願う少年・航平の奔走する事になる。嘗て付き合い、結婚を考えていた同僚・柊子が、航平の為に動き回っていたからだ。

 

幸せな家庭で育ったで在ろう柊子は、家族という物にマイナス・イメージを持っておらず、だからこそ“両親”を“無存在”として扱う俊介に戸惑い、結果として其の事が2人を別れさせる原因となってしまった。

 

題材としては決して悪く無いし、何よりも著者は「作品に“外れ”が無い。」と思っている有川浩さん。当然、読む前から期待は大きい。しかし・・・。

 

ハッキリ言って、此の作品は大外れ。駄作と言って良いだろう。登場人物達のキャラクターに深みが全く無いし、肝心のストーリーも現実味が無く、実に陳腐

 

「有川作品だから、間違い無く面白い。」という期待感が無かったら、最後迄読む事はなかったろう。何で彼女は、こんな作品を著してしまったのだろうか?全体的に、“雑”な感じで、遣っ付け仕事の様にも思えてしまう。有川さんの新作を楽しみにしている人間としては、実に残念だ。

 

総合評価は、星1.5個


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2015-02-23 12:53:35
ドラマの製作の都合ために、関係各所との折り合いに妥協してこんなストーリーになってしまったのではないかと私は推測しています。 まことにらしくない作品でしたよね。 買わなければよかった書籍ランキングで自分の中では今のところ第2位にランキング中です。 1位は、表紙がリニューアルした貫井徳郎の失踪症候群です。 かなりNGでした。
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>マヌケ様 (giants-55)
2015-02-23 21:39:06
書き込み有難う御座いました。

「ドラマの製作の都合の為に、関係各所との折り合いに妥協して、こんなストーリーになってしまったのではないか。」、そういった面は在るかもしれませんね。外れが少ない道尾秀介氏も、矢張り「ドラマの原作」という大前提の下で書かれた小説「月の恋人 ~Moon Lovers~」(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/df9f62cb43e77a34d3aab2446b7486ff)は、信じられない程の駄作だったし。

「遣っ付け仕事」とは思いたく無いけれど、人気の在る作家だけに、読者を失望させる様な作品は書かないで欲しい。全く「らしくない」作品でした。

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