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「鮭にDHAの餌、回帰率アップ 記憶力が向上か」(10月27日、朝日新聞)
「高級魚として知られる鮭の一種サクラマスの稚魚に、ドコサヘキサエン酸(DHA)を混ぜた餌を与えて、故郷の川に帰って来る確率を高める事。」に、北海道大や岩手大等が成功した。3、4年掛けて実用化し、漁獲量の増加に繋げる。
食べさせたのは、マウスの実験で記憶力を高める効果が在ったDHAや、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)。青魚や荏胡麻に多く含まれる。
北大の上田宏特任教授(魚類生理学)等は2013年5月、此れ等を含む特殊な餌を1歳半の稚魚1,500匹に6日間掛けて与えた後、岩手県野田村の安家川河口から数百m上流で放流。翌年8~10月に識別用のタグを腹に埋め込んだサクラマスが5匹、帰って来た。2014年2月の実験でも、1,274匹中の7匹が、今年9月迄に姿を見せた。
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「魚油にはDHAやEPAが豊富に含まれているのだから、(魚で在る)サクラマスの餌に敢えてDHA等を混ぜても意味在るのかなあ?」と思ったのだが、DHA等が豊富に含まれているのは青魚の魚油なのだとか。白身魚に分類される鮭の場合は、此れ等が混ぜられた餌を与える事で、記憶力が向上出来るという事なのだろう。
唯、今回の記事を読んで首を捻ってしまった点が在る。「特殊餌を与え、“故郷”に戻って来た稚魚の割合。」が、「1,500匹中5匹」(約0.3%)及び「1,274匹中7匹」(約0.5%)という事だけれど、此の低い“帰還率”で「効果が在った。」と言えるのだろうか?
又、“記事に載っている情報”だけで言えば、「特殊餌を与えなかった稚魚の帰還率」が無く、其れだと効果の程は判らないと思う。当然、実際には比較していると思うけれど・・・。