YouTubeで動画配信を行っている著名人は少なく無いが、元プロ野球選手も其の例外では無い。プロ野球大好き人間の自分なので、定期的に視聴させて貰っているチャンネルは幾つか在るが、基本的には「どんなに人気が高いチャンネルで在っても、“暴露”がメインの様な物は見ない。」様にしている。プロ野球の世界では全く結果を残せなかったけれど、元ジャイアンツの小山翔平氏の「小山翔平 BASEBALL CH」なんぞは、“古巣”に対してでも「此処が駄目!!」と忖度無しに指摘するし、又、元プロ野球選手ならではの“技術論”を詳しく解説してくれるのに、非常に見応えが在って、毎日視聴させて貰っている。
自身が動画配信を行っていなくても、「此のOBが出演したら、其の動画配信を見たくなる。」というケースも在る。「選手として超一流の実績を残し、其の実績に裏打ちされた“具体的な話”を、忖度する事無しに話してくれる人物。」がそうで、堀内恒夫氏や江夏豊氏なんかが当該。
昔の超一流選手、特に超一流投手の話を見聞していて感じるのは、「心身共に、類稀なる能力を有している。」というのは当然だが、「他者を圧倒する程の努力、鋭い観察眼&分析力を有している。」という事。今年2月の記事「超一流の人は凄い!!」でも触れた江夏豊氏と江川卓氏の対談でも、彼等の鋭い観察眼&分析力に感心してしまった。
そして、超一流選手が必ずと言って良い程に有している能力が、“異常な迄の記憶力の良さ”だ。投手で言えば、「XXXX年〇〇月△△日に行われた『XXvs.〇〇戦』、此れは3連戦の第2戦なんだけど、俺が先発で登板した。4回裏、相手チームの攻撃で、打席にxx(選手)が入ったんだけど、初球はカーヴを投げたら、彼はピクリとも反応しなかった。なので、「もう1球、同じ球を投げても大丈夫だな。』と思い、カーヴを投げ様と思ったんだけど、打席での位置を少し変えたので、『カーヴを読んでいるな。』と思い、2球目はストレートを投げ込んだら、矢張りカーヴに山を張っていた様で、タイミングが全く合わずに空振り。で、3球目は態と外に大きくストレートを外し、『1ボール、2ストライク』にしてから、『もうストレートは無いなと相手が読んでいるだろうから、裏をかいて内角にストレートを投げ込んだら、空振り三振に打ち取れた。」みたいな感じで、淀み無く“過去の記憶”を話す。数日前の話では無く、ウン十年前、堀内氏や江夏氏に到っては半世紀近くも前の出来事を、本の今体験した出来事の様にスラスラ語るのだから、凡人の自分なんぞは驚くしか無い。
超一流選手の異常な迄の記憶力の良さというのは、随分昔から感じていたのだが、元ジャイアンツの岡崎郁氏のチャンネル「アスリートアカデミア 【岡崎郁 公式チャンネル】」にゲストで出演していた堀内恒夫氏の話を聞いて、改めて痛感させられた。何の回も見応え在るのだが、「【vol.5】ノーヒットノーラン&三打席連続HRの異常性 / 200勝投手が語る『良いピッチャーの条件』 / MLBでのチェンジアップとの出会い」【動画】でも尋常ならざる記憶力の良さを発揮しており、岡崎氏を驚かせている。
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岡崎氏:「さっきから(堀内さんの)話を聞いてると、何で76歳でこんだけの(凄い)記憶力なんだろうって。『真ん中から一寸外に行ったスライダーだった。』とか、在り得ないですよ、彼の記憶力は。」。
堀内氏:「いやあ、其れが無きゃ駄目なんだよ。ピッチャーって、記憶力が勝負だから。打たれた事を覚えてるんだよ。だから、『どうやって打たれたか?じゃあ、次に打たれない様にすれば良いじゃないか。』って、そういう感覚よ。だから、今のピッチャーは阿保やね。何ぼでも同じ事を遣ってる。何も効いて(聞いて?)無いんだよ。」。
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76歳の堀内恒夫氏、意気軒高で在る。球界の為、未だ未だ忖度無しに“毒”を吐き続けて貰いたい。