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「4,630万円誤送金先の男性 行方判らず 阿武町長『犯罪者だと思っている。』 返還求め提訴 山口県」(5月12日、テレビ西日本)
「山口県阿武町が町民の男性に、コロナ関連の給付金4,600万円余りを誤って振り込み、男性が返還を拒んでいる問題。」で、町は12日に提訴に踏み切りました。
阿武町は4月8日、対象の町民1世帯当たり10万円のコロナ関連の給付金を、職員の手続きミスで1人暮らしの20代の男性に4,630万円振り込んでいました。
男性は当初、返還の意思を見せていましたが、「御金は既に動かした。罪は償う。」等として、給付金を殆ど引き出した儘、行方が判らなくなっています。
此の為、町は町議会に諮って、法的手段を採る事を全会一致で決定し、給付金の全額と弁護士費用等を合わせた5,100万円余りの支払いを求めて、男性を提訴しました。
花田憲彦町長は、「当初は振り込みミスをして申し訳無かったが、現在は返還に応じない男性を犯罪者だと思っている。」等と、提訴に踏み切った理由を語りました。
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記憶違いで無ければ、似た様な“事件”が過去にも起こっており、其の際には“犯人”の“逃げ得”で終わっていたと思う。「犯人が“悪意”で公金を振り込ませた訳では無く、其れ故に返還を強制する“法的根拠”が無い。」というのが理由だったと記憶している。
“棚から牡丹餅的な事態”に、ついつい目が眩んでしまったので在ろう男性の気持ちは理解出来る。「当初は返還の意思を見せていた。」というのを信じるならば、時間が経つ毎に“悪意”が芽生えて行ったのだろう。
だが、「給付金を殆ど口座から引き出した儘、行方不明となった。」となると、最早“犯罪者”で在る。過去にも似た様な事件が在ったのだから、対処出来る法律を国が整備していなかったのは怠慢だし、「阿武町は何故、誤送金が判った時点で直ぐに、当該口座の仮差押えをしなかったのだろうか?」という疑問が残る。仮差押えをしていれば、「少なくとも引き出して、ドロンされる。」という事態は防げただろうに。経緯から考えて、当該男性は立派な犯罪者だ。此の期に及んでは、彼の実名等を明らかにして、手配すべきではないか?
2005年に発生した「ジェイコム株大量誤発注事件」というのが在ったが、彼の際には「新規上場したジェイコム(現在のライク)の株式の取り引きを、みずほ証券の男性担当者が、『61万円1株売り』とすべき注文を、『1円61万株』と誤ってコンピューター入力した。」事で起こった。ダブル・チェックを行う等、誤入力を防ぐ体制が構築されていなかったのは今回と同じだが、「ジェイコム株大量誤発注事件」では、発生した莫大な利益を幾つもの証券会社が“返還”する事となった。此の時は「企業側が支払った。」訳だが、今回の余剰&莫大な金額の原資は“血税”という違いが在る。血税が不正に持ち出されたとも言え、こんな事は絶対に許されるべき物では無い。
又、誤送金のミスを仕出かした職員及び其の上司の責任も問われるべきだ。今回のケースがそうだと言う訳では無いが、「役所の担当者と受け取る側が事前に“互いの取り分”を決めた上、受け取る側に余剰に給付金を振り込み、双方が利益を得る。」なんて事も出来るだろう。正直者が馬鹿を見る世の中で在ってはならない。
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「『給料月100万円しか。」発言で細田議長『彼方此方から怒られ、反省。』と陳謝」(5月13日、FNNプライムオンライン)
細田衆議院議長は12日夜、各党の代表者等と懇談し、「議長になっても、毎月貰う歳費は、100万円しか無い。」等と発言し、批判を受けている事に付いて、「彼方此方から怒られて、反省している。」と述べた。
細田議長を巡っては、自民党議員のパーティーでの挨拶で、「議長になっても、毎月貰う歳費は、100万円しか無い。」と述べた他、「月給で手取り100万円未満で在る様な議員を多少増やしたって、罰は当たらない。」等と国会議員の定数増を主張し、野党側からは「議長の質も含めて、大きな問題。」等と批判の声が相次いでいる。
こうした中、細田議長は12日夜、議長公邸で各党の代表者等と懇談した。出席者によると「彼方此方から怒られて、反省している。」と陳謝した上で、「此れ迄は議員として好きな事を言って来たが、議長として発言すると御叱りを受ける事になったので、今後は立場を自覚して、発言を控える事にする。」と述べた。
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「議長になっても、毎月貰う歳費は、100万円“しか”無い。」と発言したそうだが、“しか”とは全く腹立たしい言い種だ。「100万円どころか、1万円を稼ぐのも大変な人が少なく無い。」のだから。況してや、国会議員が貰う歳費の原資は血税。糞の役にも立たない様な国会議員が少なく無い上に、「100万円しか無い。」と言い放つのは、「我々は偉いんだから、幾ら貰っても当然。」という傲慢さ&特権意識が透けて見える。細田議長は「此れ迄は議員として好きな事を言って来たが、議長として発言すると御叱りを受ける事になったので、今後は立場を自覚して、発言を控える事にする。」と言ったそうだが、此れは「発言内容自体は、全く悪く無い。」と思っている証左だ。
阿武町の件も細田議長の件も、其の言動からは“政治家や役人達の血税に対する意識の薄さ”が感じられる。“大事な血税が関わっている話”という意識が在れば、こんな馬鹿にした言動は為されないだろう。結局、彼等は「血税を、“際限無く湧き出る泉”の様に思っている。」のだろう。国民は、もっともっと怒らないと駄目だ。