高校時代、同級生にA君が居た。彼とは同じクラスになった事は無いけれど、「温厚で優秀な人。」というのは知っていた。
そんなA君だが、彼には或る特徴が在った。一定間隔で身体をビクッと震わせては、“鳩時計の鳩が飛び出した時に発する様な音”を出すのだ。最初に耳にした時は、「えっ!?」と驚いた。でも、何度か耳にして、「何等かの病気なんだろうな。」察しは付いたものの、どういう病気なのかは判らず・・・。
21日に放送された「news23」を見ていて、A君の事を思い出した。番組内で「トゥレット症候群」という病気を取り上げていたので。
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トゥレット症候群:チックという一群の神経精神疾患の内、音声や行動の症状を主体とし、慢性の経過を辿る物を指す。【動画】小児期に発症し、軽快・増悪を繰り返し乍ら、慢性に経過する。トゥレット症候群の約半数は、18歳迄にチックが消失、又は予後は良いとされている。
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番組では、実際にトゥレット症候群に罹患している人達の姿が紹介されていた。一定間隔で「ヒエッ!」等の音を結構な音量で出したり、大きくぶるっと震えたり、又、中には自分の頭や顔を叩くといった症状が出る人も。場所を選ばずに出てしまう症状なので、周りの人達が驚いてしまい、「ごめんなさい。」と彼等に謝り続ける罹患者達に、「気の毒だなあ。」という思いが。
医師の方がトゥレック症候群に付いて解説されているサイトによると、トゥレット症候群の症状で在るチックには“運動チック”と“音声チック”が在るそうだ。そして、具体的な症状として、次の4つが挙げられると言う。
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・単純運動チック:瞬きをする、肩を竦める、顔を顰める、首を傾げる等。
・複雑運動チック:飛び跳ねる、キックする、倒れ込む、叩く等。
・単純音声チック:意味の無い「ん」等の音声を発する、鼻を鳴らす、咳払いをする等。
・複雑音声チック:場に相応しく無い汚い言葉を発する(汚言)、他の人が言った言葉を繰り返す(鸚鵡返し)等。
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恐らくA君は、トゥレット症候群を罹患していたのだろう。年齢を重ねて、症状が改善されていたら良いが、少なくとも当時は「“理解の無い環境”に置かれ、辛い思いを結構していた。」のではないだろうか。
トゥレット症候群という病気を少しでも多くの人が知り、理解する事で、罹患者達が辛い思いをする事は減るだろう。番組を見終えて、そんな思いになった。