ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“杜撰”の一言では済まされない

2016年03月08日 | 時事ネタ関連

何でも彼んでも学校や教師が悪い!」とする風潮に、自分は共感出来ない。明々白々に学校や教師に問題が在る場合は別だが、子供に関する問題の少なからずは、学校や教師では無く、家庭に原因が在る事が多い様に感じているからだ。そんな自分だが、今回のニュースには・・・。

 

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3男子が自殺・・・『万引き』の誤記録で推薦せず」(3月8日、読売新聞

 

広島県府中町で昨年12月、町立中学3年の男子生徒(当時15歳)が、自宅で自殺していた事が判った。

 

教育委員会によると、学校側は自殺する前の進路指導で、生徒が万引きをしたという誤った記録に基づき、志望校への校長推薦は出せないを伝えていた。町教委は「学校側のミスが無ければ、推薦は出せた。」としており、第三者委員会を設置し、自殺との関連を調べるとしている。8日夕に行われる臨時保護者会で、経緯を説明する。

 

町教委によると生徒は第1志望が公立、第2志望は受験に校長推薦が必要な私立高だった。担任教諭は昨年11月の進路指導で生徒に対し、1年生当時に万引きしたとする誤った記録に基づき、「推薦は出来ない。」と説明。其の後も12月8日朝計4回、面談し、同日には生徒に「万引きの事を、親に説明する。」と伝えた。

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此の件、自殺した少年が万引きしたという記録は、彼が1年生当時の生徒指導の会議資料に一旦は記されたものの、直ぐにミスで在る事が判り、訂正されていた。然し資料の元データは訂正される事無く、其の儘、引き継がれていたと思われる。という続報が在った。

 

如何せん、報道されている内容が充分では無いので、推測に頼らざるをない面は多々在る。だから、飽く迄も現在報じられている内容をに、思う所を書いてみたい。

 

先ず、「今回自殺した少年(以後は、A君と記す。)が中学1年の時、万引きをしたと誤って記録させれたのは、一体何故だったのか?」という点。「万引きした他の生徒と、単純に間違えただけ。」というのも考えられなくは無いが、虐めが存在(「A君が万引きをした。」と誰かが嘘を吐いたり、A君が万引きをした様に陥れられたりとか。)ていた可能性を懸念する。生徒指導の会議資料に“誤った犯罪歴”が記されるというのは、普通じゃ考えられない事なので。

 

生徒指導の会議資料は直ぐに訂正されたものの、資料の元データが訂正される事無く、ずっと引き継がれていたというのが事実ならば、余りにも酷い話。「自分がしなくても、誰かが訂正(乃至は削除)してくれるだろう。」という他人任せの思いが在ったのかもしれないけれど、人の人生を大きく左右するレヴェル誤記なのだから、元データも直ぐに訂正どころか、削除しなければおかしい。

 

「してもいない万引きを原因に、第2志望の私立高校に推薦出来ない。」とされたA君は、担任教師に「誤りで在る。」と言わなかったのだろうか?非常に大人しい生徒だったら、言いたくても言えなかったという可能性も無くは無い。でも、彼が自殺に到る迄、4度も面談をしていたという事実を考えると、彼は「誤りで在る。」と何度も言っていたのではないかと推測する。

 

だとしたら、担任教師は何故、きちんと調べなかったのか?「A君が万引きしたと、生徒指導の会議資料に一旦は記されたものの、直ぐにミスで在る事が判り、訂正された。」のは本の2年前の事。其の事実を知っている関係者は未だ同じ学校に居る可能性は高いし、万が一、異動していたとしても、(過ぎ去った年月の短さを考えれば)連絡して確認するのは難しく無いだ。生徒の声に耳を傾け、きちんと確認する事を怠らなければ、今回の悲劇は防げたと思う。杜撰”の一言では済まされないし、学校や教師の責任が問われる“事件”で在る。


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2 コメント

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“教育”て何でしょうか (Kei)
2016-03-10 00:27:08
なんともやり切れない話ですね。
「コンピュータの入力ミスで、間違って犯人に仕立て上げられる」という話は、テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」をはじめ、昔からSFではよく取り上げられて来ましたが、それが現実に起きるとは。それも学校で。
その結果が自殺という痛ましい悲劇に繋がるとは。最悪の結果ですね。
担任教師に、コンピュータのデータは絶対だ、という思い込みはなかったでしょうか。もしあったとしたら、まさに時代を象徴する悲劇でと言えます。

ところでちょっと視点を変えて、仮にもし本当にその生徒が1年の時に万引きをしたとしても、それだけで「第2志望の私立高校に推薦出来ない」と結論付けてしまうのは、教育的見地から見ていかがなものでしょうか。
少年法で未成年者の名前を出さないようになっているのは、「本人に更正の機会を与える」ためだ、と言われています(14歳未満では罰則もなし)。
だとしたら、3年の時ならともかくも、1年の時の万引きについては本人に反省文を書かせ、諄々と諭して、本人が心から反省をしているなら、お咎めなしで志望校への推薦を出してあげてもいいのではないでしょうか。
もしそういう温情措置をきちんと行うシステム(それが“教育”だと思います)が機能していたなら、例え今回のように別人と間違えてても、本人が自殺まで思いつめる事もなかったのではないでしょうか。

そもそも学校は、実際に万引きした生徒に対して、きちんと反省文を書かせたのでしょうか。その反省文があれば、それを取り出して見て、別人だと早期に気付いたかも知れません。どうも、「コンピュータに入力した」だけで終わってた可能性があります。
“教育は何なのか”、という根本原理自体がそもそも守られていなかったとすれば、この学校は、生徒を教育する資格すらない、という事になります。そこをこそ、教育委員会やマスコミは問うべきではないでしょうか。
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>Kei様 (giants-55)
2016-03-10 02:35:28
書き込み有難う御座いました。

今回の件、続報が色々出ていますが、不思議な点が多い。先ず「A君に対する担任教師の“進路指導”が、個室とかでは無く、“廊下”で行われていた。」という事。進路指導自体が他者には聞かれたくない類いの事なのに、加えて万引き云々なんて話を廊下でするというのが理解不能。

担任教師の説明では、「万引きに付いてA少年に尋ねた所、否定はしなかった。」という事ですが、廊下という場所では周りの目を気にして、言いたい事も言えないという可能性も在りますよね。

又、実際に万引きしたのは別の少年という事ですが、其の少年には推薦が出されていたというのも不思議な話。実際にした生徒に推薦が出され、していない(のが判っていた)生徒には出されていなかった訳ですから。

で、Kei様が指摘されている点ですが、自分も同じ事を思いました。世の中には「理想」と「現実」が存在し、全てに於いて「理想」を貫くのは無理だけれど、少なくとも「教育の場は落ち零れを増産するのでは無く、道を踏み外した者を救済し、正しい方向に導くのが最優先されるべき。」だと思うのです。そういう視点が、此の学校には無かった様に感じられ、非常に残念。
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