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日露戦争で“不死身の杉元”と称された杉本佐一(山﨑賢人氏)は、戦後の北海道で一攫千金を狙い、砂金採りをしていた。或る日、彼はアイヌの金塊と隠し場所の手掛かりを掴み、其の在り処が刺青として身体に彫り込まれた囚人の存在を知る。そんな中、佐一は父の仇討ちの為、金塊を捜すアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈さん)と出会い・・・。
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「ゴールデンカムイ」という漫画が人気なのは知っていたが、内容に関しては“北海道を舞台にした作品”という事しか知らなかった。此の程、原作を映画化した「ゴールデンカムイ」が公開され、「日露戦争や土方歳三(舘ひろし氏)等、実在の歴史的事項や人物が取り扱われている。」という事を知り、歴史好きとして「観に行こうかな。」と思った次第。
手塚治虫氏は、自分が敬愛する人物の1人。自分にとっては漫画家というだけで無く、思想家や哲学者という存在で在り、彼の作品や言動から多くの事を学んで来たし、自身の血肉となっている部分が多い。
大好きな作品は枚挙に遑が無いけれど、15年前の記事「手塚治虫作品ベスト10」で記した様に、「明治初期の北海道を舞台に、幕府の家臣で剣の腕が立つ男・シュマリと其の“息子”で在るポン・ションの2代を描いた大河ドラマ。時代の転換期、広大な地を舞台にして、差別や迫害等に苦しむアイヌの人々の姿を描いている『シュマリ』。」も、大好きな作品の1つ。自分にとって此の作品が、アイヌに関して“実質的に”色々と知る事になった最初の存在だ。
「ゴールデンカムイ」でも、アイヌの存在が大きく取り上げられている。でも、「シュマリ」が“差別等で苦しむアイヌの人々”という視点から“主に”描かれているのに対し、「ゴールデンカムイ」は「逆境に在っても強かに、そして明るく前向きに生きるアイヌの人々。」という感じが強い。物事は全て多面的で在り、何方の姿も事実だろう。
アクション・シーンが凄いし、過度なヴァイオレンスさも見受けられるが、クスリと笑ってしまうシーンが随所に設けられていたりと、“緩急のバランス”は悪く無い。自分の様に原作を全く読んでいない人間でも、十二分に付いていける内容で、飽きる事無く観続けられた。
唯、基本的に“グロ”が不得意な事も在り、不気味過ぎる特殊メイク等、目を逸らしてしまった部分も。鶴見篤四郎(玉木宏氏)の顔なんぞは、玉木氏の“地”の奇麗な顔を知っているだけに、何とも不気味だった。
恐らくは続編が作られるだろうし、公開されれば観に行きたいと思う。総合評価は星3.5個。
出色のアクション映画でした。
https://blog.goo.ne.jp/ebisu0014/e/534f38bc8c2b51cf5bc41c148476674e
映画を観たあと原作が読みたくなって、全31巻アマゾンで衝動買いしてしまいました。
雫石様も、此の作品を御覧になられたんですね。雫石様が記事で書かれておられる様に、二百三高地での戦闘シーンは迫力が在ったし、元ネタとの関係性を重ね合わせるとより面白かったりと、娯楽作品として良い出来だったと思います。
自分も原作を読んでみたくなり、図書館で捜してみた所、全巻が予約入り捲りで、単純計算で順番が回って来る迄に1年近く要する事が判明。矢張り人気作品なんですね。