父方の祖母と母方の祖母は、或る意味、対極的な人だった。「陽性。気が強い。活動的。こってりした食べ物が好き。90過ぎ迄生きた。」というのが父方の祖母。一方、「何方かと言えば陰性。気が弱い。消極的。あっさりした食べ物が好き。70そこそこで亡くなった。」というのが母方の祖母。
そんなにも対極的な2人だったけれど、共通点も在った。2人共に“優しさ”に溢れており、「小さい頃より、非常に可愛がって貰った。」という思いが強い。
そして、一番の共通点としては「英語が苦手。」というのが在る。「(恐らく)2人共、学校で英語を習った経験が無い。」というのが背景に在るのだろうけれど、本当に英語が苦手だった。
父方の祖母で言えば、「何度訂正されても、『PTA』を『ピー・“チ”ー・エー』と言い続ける。」等、英語の発音に難が在った。
又、母方の祖母で特に印象に残っているのは「カップヌードル事件」だ。カップヌードルの認知度がそこそこ上がって来た頃、もう半世紀近く前になるけれど、祖父母の家に遊びに行った際、カップヌードルの話になった。其処で祖母が言ったのは、「最近、TVの広告で矢鱈流れている『ヌードカップル』って美味しいの?」と。「御婆ちゃん、『ヌードカップル』だと『裸のカップル』だよ。『ヌードカップル』じゃ無く、『カップヌードル』だって。」と自分が腹を抱えて大笑いし乍ら指摘すると、祖母は「『カップヌードル』かあ。」と苦笑していたっけ。