ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

それが清原選手の美学なのか?

2005年08月10日 | スポーツ関連
昨日、大魔神こと佐々木主浩投手が故郷でラスト登板し、生涯のライバルで在り親友でも在る清原和博選手との対決で、15年のプロ人生に幕を降ろした。

一流選手に在りがちなチーム内の”お山の大将”ぶりがやや過ぎた感じを受けたし、オフシーズンとはいえあのチャラチャラぶりが鼻に付いた所が在ったので、正直な所佐々木投手は好きな選手ではなかった。しかし、選手としての彼は間違いなく超一流で在ったし、素晴らしい選手として認識していたのも事実だった。相手がベイスターズの時ジャイアンツ・ファンで在る自分は、8回が終わった時点でジャイアンツが負けていれば、敗戦を100%覚悟するのが常だった。それだけ、彼のスピード在る直球と落差の在るフォークボールは脅威で在り、絶対的な抑えだった。

そんな素晴らしい選手だったからこそ、個人的には遅きに失した引退で晩節を汚した様に感じられ、それが非常に残念である。とは言え、彼が球界に残した偉大な功績は賞賛に値するし、素晴らしいプロの技術を見せてくれた事に心から感謝したい。本当に御疲れ様でした。

唯、昨日のラスト登板で気になったというか、憤りを感じた事が在った。ラスト登板そのものに付いてではない。2回裏無死1塁で打席は清原選手という場面で佐々木投手を登板させた牛島監督の采配には、佐々木投手の意向を汲んだ上、序盤に彼を投げさせる事で公式戦という真剣勝負の場を蔑ろにさせなかったという、実に行き届いた配慮が感じられ、敵将ながら天晴れであった。佐々木投手も往年の凄みは無かったものの、真摯に投げ込んだ4球は心打たれるものが在った。自分が憤りを感じたのは、打席に立っていた清原選手の姿勢に在った。

以前、「清原発言とアンリトゥン・ルール」という記事を書いた。タイガースが大差をつけて勝っている状況で、藤川投手が2アウト満塁2-3のカウントから清原選手に対してストレートではなくフォークを投じて空振り三振に打ち取った事を、試合後に清原選手が批判した件で猛バッシングされたのだが、そんな彼を一部擁護した内容だった。だが、今回は厳しい目を向けざるを得ない。

昨日の佐々木投手との”対決”では、初球から3球目迄は全て直球勝負だった。ここからは、あくまでも自分にはそう見えたという話になってしまうが、初球の明らかにボールと判る球は別として、2&3球目のストライクとなった球は黙って見逃す程の際どいものでは全くなく、どう考えても振りに行く球だった。なのに、全く打つ素振りも見せずにアッサリと見逃し。そして、4球目は外に落ちるフォークだったが、往年の鋭さは感じられない全くのボール球に思えた。私見に過ぎないが、清原選手の美学が其処に働いていたのではないかと考える。つまり、ストレートを敢えて見逃して2ストライクとなった段階で、決め球であるフォークで豪快に三振する。八百長とは違う、ライバルの最後に花を持たせたいという美学だったのではないかと。それ程、素人目には露骨さを感じてしまう”打ち取られ方”だった。

事実の程は清原選手しか判らない。もし真剣に挑んであの結果だったのならば、清原選手のプロとしての衰えを思うだけだ。でも、仮に彼の美学に基づいてあの場面を”演出”したのだとしたら、それに付き合わされたファンは幸せだったのだろうか?少なくとも自分には、真剣勝負の場を汚された様で憤りの思いだけが残った。あれがオールスター等の”御祭り”の場で在ったならば、とやかく言うつもりは毛頭無い。公式戦という場で、尚且つ優勝チームが決まった後の消化試合ではないにも拘わらず、演出したかの様なあざとさに腹が立つのだ。「涙の御対面」といった番組で、過剰に泣きの演出を繰り返すあの嫌な感じと何処か似ている気がした。

あの場面で清原選手が打とうが打ち取られようが、又、ジャイアンツが勝とうが負けようがそんな事を問題にしているのではない。美学に基づく演出ではなく、本当に真剣勝負だったのかどうかが引っ掛かるのだ。

嘗てタイガースのエースだった江夏豊投手は、奪三振の日本タイ記録及び新記録を、最大のライバルと目していた王貞治選手で決める事を心に誓い、実際に成し遂げた。江夏投手の熱き思いはマスメディアォ通して王選手にも伝わっていたが、プロとしての意地から相手に花を持たせるという意識は全くなく、両者共に真っ向勝負に挑んだという。だからこそ、その両者の姿はファンの心に深く刻まれているのではないか。

牛島監督の配慮と佐々木投手の真摯な投球を感じただけに、清原選手の姿に自分はガッカリさせられた。
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31 コメント

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男気はいずこへ? (マッケン5◎^-^◎)
2005-08-10 04:58:27
私も記事にしようと思っていたのですが

清原の結果にどうしても納得のいく答えが見つからずできませんでした

涙を見せるくらいならキヨならば

ファンとしては

3球目のド真ん中をHRしてやるぐらいの男気が見たかった



おっしゃるとおり全盛期の佐々木が上がったら負けを覚悟

ゆえに石井とかがHRした時には狂喜したものでしたもんです

見えているボール球を空振り

今季の巨人ファンがドンドン離れていくのはそんな姿勢からも見え隠れします



*ウチで巨人の記事を書いていない現状ですのでこちらでお願いします
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清原だけではない。 (オレも38歳)
2005-08-10 06:35:28
あの茶番劇で非難されるべきは、清原だけでなく

佐々木と牛島監督含め横浜ベイスターズ球団もでしょう。

真剣にプレイをしている他の選手や、

真剣に応援しているすべてのプロ野球ファンに

対して失礼極まりない行為だと思う。



今日のベイスターズの1安打敗戦は、

そのような茶番劇に対するベイスターズナインの

ささやかな反抗だ(としたらいいんだけどな。)
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Unknown (カント)
2005-08-10 10:38:50
正直、がっかりしました。

あの球は、女の私でも見逃します。

涙で誤魔化さずに真剣勝負をして欲しかったです。
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作られた場面だから (久保課長)
2005-08-10 12:17:49
前日、仙台市内の寿司屋で清原と佐々木が「最後の晩餐」をやったらしいので、おそらくそこでシナリオが練られたのでしょう。



私としては、今の佐々木を公式戦で投げさせること自体が「演出」だと思うので、あの場面で清原が「茶番」で三振したことには特に疑問を抱きません。もちろん公式戦では真剣勝負が前提です。ただ、あのような誰がどう見ても「作られた」シチュエーションではそれも例外なのかなと。もちろん、野球ファンとしてあの二人の最後の対決はガチンコでやってもらいたかったのがホンネですけど、現在の彼らにそれを望むのは酷なのかなってのもあります。



アンチ清原の私ですが、珍しく擁護することになってしまいましたね。
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Unknown (R-J)
2005-08-10 14:06:28
 TBありがとうございました。

プライベートや引退までの経緯のゴタゴタで、さらに印象悪くした佐々木やったけんど、昨日の清原の涙で、多少はダーティーな印象は薄まったんやないろうか。清原様さまちゅうとこやろうね。
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Unknown (餅きなこ)
2005-08-10 20:16:58
 きなこ、この試合をみてないから、何とも言えないけど、もしわざとならガッカリですね。

大リーグの試合って。もうすく何本達成ってときに、けん制をしないじゃないですか、日本って、たまに「勝負しろよぉ~」って思うときがいっぱいあります。

 なんかガッカリです。そういうのって。
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一つの形 (自選孝)
2005-08-10 21:40:40
9日の佐々木投手との対決についてはあれで良かったと思っています。

確かに清原選手の打つ気の無さは伺えましたが、元々誰かの引退試合はそういうものと思っているのでそれ程の違和感はありませんでした。

試合も走者を一塁に置くという状況下もありましたが、仰るとおり、試合の行方への影響が比較的少ない序盤という事で、全体的に後腐れはなかったと見ています。



むしろ清原選手が一打席を犠牲にしてまで功労者の佐々木投手の為に花道を作ったと捉えています。

スポーツとは言え真剣勝負だけでなく、相手の為に誰かが引き立て役になる場面があっても良いのではないかと思います。



まあ近年の清原選手の言動には呆れる事も多い私ですが、今回は責めなくても良いかなと・・・。
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Unknown (やま)
2005-08-10 22:17:26
コメントありがとうございます。



超久々にプロ野球ネタしかも試合中のという記事でしたがw。



完全に花を持たされ演出されたマウンドに何の価値があるのでしょう?始球式ででもやっていればいいんです。故障だらけの佐々木は悲劇の選手だったと思うがプロとして終わって欲しかったです。
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最後のワガママくらいは… (りす。)
2005-08-10 23:00:49
この件については、やはりというか何と言うか…

清原選手、佐々木選手のイメージの悪さからか、疑問視する声が多く見られますね。

でも、私はあれでよかったと思います。



正直言って、巨人も横浜も優勝の目なんてありませんから。

(横浜ファンの方、すみません)

熾烈な「Aクラス争い」に、一つスパイスを加えたとでも思えば…

清原選手の見逃しは、オールスター戦の第二打席、松坂投手との対戦と同じだと思います。

最後はフォークボールが来ることは、素人でも分かります。

球種が分かっている、そんな打者有利の対戦であれば、せめて一球勝負。

フルスイングで応えたかったのだと思います。

あれ、フォークが思いっきり外角に行ってしまったので、八百長臭さが増しただけだと思います。

いいところに決まっていれば、見方も変わってくるのではないでしょうか。

所詮は結果論、投手の引退当番には三振するというのが、暗黙のルールみたいですからね。

清原選手も、打つ気はなかったでしょう。

斎藤投手と槙原投手の時も、確か三者三振だったのでは?

あの時も、相手打者は明らかに無茶振りしてましたもの。

それが清原選手、佐々木選手になるとこの叩かれよう。



アンチの多い両選手。

三振しようがホームランをぶちかまそうが、消化試合になってからやろうが、どうせ何かケチをつけられたでしょう。

マスコミが、そういうイメージを植えつけましたから。

彼らほど、マスコミに踊らされ(本人達にも問題行動はありますが)傷つけられたスポーツ選手もいないでしょう。

佐々木投手も、ワガママであると自覚しているみたいですし、最後くらいは叩かずに、苦笑まじりでもいいから笑って見送ってやりたいと思うのは、やはり信者扱いされてしまうんでしょうか…
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>マッケン5◎^-^◎様 (giants-55)
2005-08-11 02:00:28
書き込み有難うございました。



「これは反論&異論がドッサリ来るだろうなあ。」と思いながら記事を書く事が多々在ります。そもそも自らの偏った主張をしているブログですので、異論&反論は大歓迎なのですが、今回の記事もかなりの異論&反論が来るで在ろう事を予想しておりましたので、聊か意外な思いをしております(笑)。



今回のラスト登板に付いては、様々な意見が在ると思います。「魅せるのもプロなのだから、佐々木投手と清原選手の対決は例え演出の部分が在ったとしても、それはそれで良かったのではないか。」という意見も判る部分が在ります。



唯、(両チームのファンには申し訳無いのですが)優勝争いから脱落したチームとはいえ、公式戦、それも未だ優勝が決していない段階でああいった形を採るのはどうだったのだろうかという思いはどうしても消えないのです。あれが、優勝決定した後の消化ゲームで在れば未だ判るんです。でも、この段階で行なうのは一寸違うのではないかと。



佐々木投手も清原選手も、一人のプロ野球選手としては凄い存在だと思っておりますし、野球を愛する人間として高く評価している選手です。とは言え、ジャイアンツは清原選手だけのチームではないし、ベイスターズも佐々木投手だけのチームではないと思うのです。たかが一打席なのかもしれませんが、その一打席に選手生命を賭けている選手は多く居ます。若手選手もそうですが、今オフに解雇される可能性の高いベテラン選手にとっては非常に重みを持つ一打席でしょう。それを、優勝が決まった後の消化ゲームなら未だしも、そうでない段階でああいった形で使われる事に、生き残りをかけた選手達はどう思うのでしょうか。又、純粋に真剣勝負を堪能したいファンも居るはずで、そういった人々の事は置き去りにされてしまった感も在ります。



重複しますが、あれが本当の意味での(と書くのも妙な話ですが(笑)。)消化ゲームでの出来事だったならば納得出来るんです。又は、嘗てタイガースの江夏投手やジャイアンツの西本投手の引退試合の様に、有志が集まって行なった様なもので在れば、どんな内容で在ろうが構わないと思っています。そうでない今回の様な形は、言葉は良くないのですが清原選手と佐々木投手のマスターベーションに付き合わされた様な感じがしてしまうんです。



魅せる野球も間違いなく必要です。勝敗だけに固執した野球はつまらないとも思います。しかし、”真剣なプレーの中で生まれた”魅せる部分は何時迄も記憶に残るのでしょうが、残念ながら今回の対決はそういったものではなかった様に自分には思えました。これは、佐々木投手及び清原選手の全盛期をリアルタイムで見続け、その凄みに畏敬の念をも持っているだけに、余計にそう感じたのかもしれません。
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