ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「さよなら神様」

2015年02月27日 | 書籍関連

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隣の小学校先生・青山(あおやま)が殺された。容疑者の1人が担任の美旗(みはた)先生と知った俺、桑町淳(くわまち じゅん)は、クラスメート鈴木太郎(すずき たろう)に「真犯人は誰か?」と尋ねてみた。殺人犯の名前を小学生に聞くなんてと思うかもしれないが、鈴木の情報は絶対に正しい。鈴木は様なのだから。

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2015本格ミステリ・ベスト10【国内編】」の1位2014週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」の3位、そしてこのミステリーがすごい!2015年版【国内編】」の2位と、昨年、ミステリー関連の年間ブック・ランキング軒並み上位に選ばれた小説さよなら神様」(著者麻耶雄嵩氏)。麻耶氏の作品を読むのは、「隻眼の少女」と「貴族探偵対女探偵」に続いて3作目。

 

「さよなら神様」は「神様シリーズ」の第2弾で、小学校5年生の桑原淳が主人公。同級生の鈴木太郎は同級生達から“神様”と呼ばれているのだが、其れ自らが“全知全能の神”と称し、“事件”の犯人をズバリ当てたり、大惨事未然に防いだりしたからだ。

 

鈴木の事を“神様”とは思っていないものの、「特殊な能力を有しているのではないか?」と思っている桑町は、身近で殺人事件が起こる、彼に「犯人は誰なのか?」を尋ね、鈴木からは「犯人は○○だよ。」という答えが返って来る。犯行理由も何も説明する事無く、彼が答えるのは犯人名だけという設定。

 

「小学校5年生とは思えない様な言動の数々。」、「身近で次々に殺人事件が起こり、鈴木の“宣託”によれば、其の犯人が全てが桑町の知人(又は、事件以降に知人となる人間)。」という、一風変わった内容。鈴木の宣託が本当に正しいのか、事件によっては明確にされない所も在るが、最後の最後で「鈴木が、どういう存在だったのか?」を含めて明らかになり、意外性は在る。

 

ネタバレになるので具体的には書かないが、「○○と許り思っていた人物が、実はXXだった。」という“変化球”には驚かされるも、小学生の世界を描いているとは思えない程、後味の悪さが強烈に残る作品だ。

 

犯行動機等、スッキリしない点も在るけれど、高く評価されるのは“まあまあ”理解出来る内容。総合評価は、星3.5個とする。


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